01.破壊されたミステリー

謎だらけの日本古代史にあって、とびきりミステリアスな歴史区分として、「銅鐸(どうたく)」を取り上げたいと思います。

砕かれた銅鐸見つかる!

わが町日高町は、全国でも稀な打撃により粉々に破壊されて出土した「久田谷銅鐸」があります。

歴史研究家 谷川健一氏は、

謎だらけの日本古代史にあって、とびきりミステリアスな出土品、それが銅鐸だ。
まず、出土の状態からしてわからない。専門家によれば、銅鐸はそのほとんどが人目につかない山の中腹などで発見される。

まるで、誰かの手で意図的に隠されたかのように。
なかには、兵庫県豊岡市日高町久田谷の銅鐸破片など、故意の加熱や打撃により破壊されて出土する例さえあり、それらの時期は弥生時代中期から末期に集中しているという。
一方で「古事記」「日本書紀」の記述---。

記紀には、銅剣や銅鉾が姿を見せるにもかかわらず、銅鐸に関してはただの1文字すら記されていない点も大きな疑問だ。こうした事実はいずれも、古く畿内を中心に存在した銅鐸の文化と4世紀以降の古墳文化(ヤマト王権)の間に、大いなる断絶、戦争などの破局的事態があったことを物語はしないだろうか?歴史の記憶から抹消された銅鐸のミステリー、その背後には、「日本(ヒノモト)」という国名の誕生にまつわる、壮大な「アナザー・ヒストリー」が浮かび上がってくる。

何々・・・?破壊された銅鐸がみつかったってそんなに珍しいものなんか?!

ここから「気多(けた)とは何か?日高町の先住者、気多人はどこから来たのか?」という、以前から知ってはいたけど。興味のあったテーマにようやくとりかかることになってしまいました。

久田谷(クタダニ)銅鐸

銅鐸発見場所の付近(豊岡市日高町久田谷)

出土地は、神鍋に通じる旧道沿いと思われる付近で、昭和53年(1977)5月、県営ほ場整備の工事中、発見された。
当時発見された銅鐸破片についてくわしく調査された結果が日高町史(資料編)に記載されています。

久田谷遺跡で発見された銅鐸は、すべて5~10センチ前後に砕かれ、復元が困難であるため高さ、幅、重量については明確にすることは困難である。しかし、銅鐸の破片が117片あり、

—これらの割口は古く、工事中に壊されたものではなく、壊された状態で廃棄、あるいは埋められた

—-形式は弥生終末期—–遺跡の確認調査で出土した土器は、弥生後期から古墳時代であり、最近工事中に出土した土器は、弥生前期から古墳時代前期に至ることがわかった。

また、銅鐸片の出土が発掘調査により、遺構内から出土したものではない—–


但馬国府国分寺館銅鐸展示展(ピンぼけしていてすいません。)
破壊銅鐸
銅鐸は現在470口あまり確認され、その分布は北部九州から東海地方に及びます。なかでも、粉々に破壊された事例が見られます。破壊銅鐸は、この久田谷銅鐸を含め、兵庫県内4例をはじめ、大阪・岡山・鳥取・香川・奈良・滋賀・愛知・静岡・長野など30例あまり確認されています。
兵庫県内4例
久田谷銅鐸(豊岡市日高町久田谷)突線紐5式鐸身3分の1程度117片
女代銅鐸(豊岡市九日市上町女代)とっせん紐2式片側鰭(ひれ)部下端断片
岩野辺銅鐸(宍粟市岩野辺)
姫路市大井川第6地点
日高町久田谷遺跡で見つかった粉々に破壊された銅鐸片は、気比銅鐸よりも後の弥生後期のものとされ、組み立てれば120cmにもなる巨大な銅鐸だそうです。
ではなぜ、久田谷銅鐸はバラバラだったのでしょうか。その理由には、
・砕いて別の銅製品の原料にした
・砕くことで銅鐸を祀る「カミ」が否定された
などの説があります。
但馬国府・国分寺が置かれていた兵庫・日高町…
但馬でも発掘される古墳の数や遺跡の多さ、
社寺の数等では、但馬古代史の宝庫といわれています。
そこでずっと興味があったこと…改めて「気多(ケタ)」という地名及びエリアの誕生にまで遡って考えてみることにしました。ここでは地元の豊富な遺跡や遺構をもとに、日高町という名称以前の地名であった「気多(ケタ)」という郡名、そしてこの土地をそう名付けた愛すべき我々の祖、古代人を、「気多人(ケタジン)」と呼ばせてさせていただき、史料を紐解き、素人だからこそ、独断と偏見?!で大胆かつ自由な仮説が展開できるのかも知れないと思います。
但馬地方ではこの他に2か所で発見されています。

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