北近畿鉄道物語 |
山陰本線全通
特急「こうのとり」(新大阪~福知山・豊岡・城崎温泉、287系:旧「北近畿」)・特急「きのさき」(京都~福知山・豊岡・城崎温泉)(写真:JR西日本)
特急「はまかぜ」(大阪~(播但線経由)香住・浜坂・鳥取、キハ189系)
JR山陰本線が全通したのは意外にも昭和に入ってからである。1933年(昭和8年)2月24日、ついに須佐駅(山口県萩市) – 宇田郷駅(山口県阿武郡阿武町)間 (8.8km) が延伸開業し、京都駅から幡生駅(山口県下関市)間(673.8km)が全通した。
しかし、在来線としての営業キロは日本最長の路線であるが、起点(京都駅)から終点(下関市の幡生駅)までの列車はなく、京都から居組駅(兵庫県美方郡新温泉町)間までを通して走る列車は全通以来一度もない本線の一つである。山陽本線や山陽新幹線開業以来、山陰本線沿いの各都市(福知山市・豊岡市・鳥取市・倉吉市・米子市・松江市・出雲市・益田市・長門市など)から直接山陽新幹線に至る路線を強化してきた結果である。1961(昭和36)年10月、山陰本線に初の特急「まつかぜ」(キハ80系気動車6連)が京都~松江間(福知山線経由)まで。1964(昭和39)年には一気に博多まで延長となったが最長列車だった。(その後、2003(平成15)年、「スーパーまつかぜ」(鳥取駅 – 米子駅・益田駅間)として、この名が復活する)
また、東京駅-浜田駅間を東海道本線、京都から山陰本線を通る寝台特急「出雲(いずも)」(1998年7月からは、1往復に285系を投入して電車化を行い「サンライズ出雲」として伯備線経由で運転開始。2006年3月に山陰本線経由は、車両の老朽化や利用客の減少などの理由により廃止)や、城崎温泉までの特急「きのさき」のみで、鳥取へは、智頭急行開通後、播但線経由の特急「はまかぜ」のみとなった。
山陰本線はそれぞれの区間で性格が多様だが、京都駅から園部駅間は近畿統括本部、園部駅から居組駅(兵庫県内)間(園部駅構内のぞく)は福知山支社、居組駅から益田駅間は米子支社*1、益田駅から 幡生駅間は広島支社下関地域鉄道部の管轄となっている。
*1 居組駅 – 赤碕駅間(居組駅構内のぞく) 米子支社鳥取鉄道部
赤碕駅 – 田儀駅間(赤碕駅構内のぞく) 米子支社
田儀駅 – 益田駅間(田儀駅構内のぞく) 米子支社浜田鉄道部