イザナギとイザナミはさらに、海や川、山、雨、風、田などの神々を産みました。 ところが、最後に火の神を産んだイザナミノミコトは、わが子の火でからだを焼かれ死んでしまいました。黄泉の国(よみのくに)へ行ってしまったのです。これが生者と死者のはじまりです。
イザナギはイザナミを黄泉の国(よみのくに)へ迎えに行ったのですが、死者となったイザナミは既に変わり果てた姿になって連れ戻すことはできませんでした。 別れ際に1日に1,000人を殺すと言い、イザナギノミコトはそれならば1日に1,500人産もうと言いました。その時から日本の人口は増えていったのです。
島ができあがると、妻のイザナミは、それぞれの島を治める神様を生みました。それに続いて、石や土の神様、家の神様、風の神様、川や海の神様、山の神様と、たくさんの神様が生まれてきましたが、火の神様を生んだとき、イザナミは大やけどをしてしまいました。
大やけどに苦しみながら、イザナミはなおも、粘土(ねんど)の神様や、水の神様、鉱山の神様などを生みました。無理を重ねたイザナミの体は、みるみるうちに弱ってゆきます。イザナギはけんめいに看病(かんびょう)をしましたが、そのかいもなく、イザナミはとうとう亡くなってしまいました。
「愛するおまえの命を、一人の子の命とひきかえにしてしまった」
イザナギは、イザナミのなきがらにとりすがって、ぽろぽろとなみだを流して泣きました。そしてイザナミを、出雲(いずも)の国と伯耆(ほうき)の国の境にある比婆山(ひばやま)にほうむりました。イザナギは、妻に大やけどをおわせた火の神のことを、どうしても許すことができず、とうとう、剣で切り殺してしまいました。
・大事忍男神(おほことおしをのかみ)
古事記で、イザナギとイザナミが国産みを終えて神産みの最初に産んだ神である。
神名は、「大事を終えた男神」として、国産みという大仕事を終えたことを表した神名であると解釈されることが多い。ただし、『古事記伝』においては、大事忍男神は熊野本宮大社に祭られる事解之男神のことであり、本来は黄泉から帰還したイザナギの禊祓に現れるべき神を誤って神産みの最初に入れてしまったのであろうと解釈している。
家宅六神(かたくろくしん)
家宅六神は、建物の材料や構造を示したもの。
・石土毘古神(いはつちびこのかみ)
・石巣比売神(いはすひめのかみ)
・大戸日別神(おほとひわけのかみ)
・天之吹男神(あめのふきおのかみ)
・大屋毘古神(おほやびこのかみ)
・風木津別之忍男神(かざもつわけのおしをのかみ)
・大綿津見神(おほわたつみのかみ) 海の神
・速秋津日子神(はやあきつひこのかみ) 別名水戸神(みなとのかみ)=港の神 男女一対の神
・速秋津比売神(はやあきつひめのかみ) 〃 〃
・速秋津日子神と速秋津比売神は以下の神々を産んだ
・沫那藝神(あはなぎのかみ)
・沫那美神(あはなみのかみ)
・頬那藝神(つらなぎのかみ)
・頬那美神(つらなみのかみ)
・天之水分神(あめのみくまりのかみ)
・国之水分神(くにのみくまりのかみ)
水分神(みくまりのかみ)水の分配を司る神。日本神話では、神産みの段でハヤアキツヒコ・ハヤアキツヒメ両神の子として天水分神(あめのみくまりのかみ)・国水分神(くにのみくまりのかみ)が登場する。
・天之久比奢母智神(あめのくひざもちのかみ)
・国之久比奢母智神(くにのくひざもちのかみ)
・志那都比古神(しなつひこのかみ) 風の神
・久久能智神(くくのちのかみ) 木の神
・大山津見神(おほやまつみのかみ) 山の神。大山積神、大山津見神、大山祇神 別名は 和多志大神、酒解神
・鹿屋野比売神(かやのひめのかみ) 草の神。別名は野椎神(のづちのかみ)。神名の「カヤ」は萱のことである。
(萱は屋根を葺くのに使われるなど、人間にとって身近な草であり、家の屋根の葺く草の霊として草の神の名前となった。)
大山津見神と野椎神は以下の神々を産んだ
・天之狭土神(あめのさづちのかみ)
・国之狭土神(くにのさづちのかみ)
・天之狭霧神(あめのさぎりのかみ)
・国之狭霧神(くにのさぎりのかみ)
・天之闇戸神(あめのくらどのかみ)
・国闇戸神(くにのくらどのかみ)
・大戸惑子神(おほとまとひこのかみ)
・大戸惑女神(おほとまとひめのかみ)
・鳥之石楠船神(とりのいはくすぶねのかみ) 別名は天鳥船(あめのとりふね)
・大宜都比売神(おほげつひめのかみ) 穀物や食物の神
・火之夜藝速男神(ひのやぎはやをのかみ) 火の神。別名は火之炫毘古神(ひのかがびこのかみ)・火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)
火の神・迦具土神を出産したとき女陰が焼け、イザナミは病気になった。病に苦しむイザナミの吐瀉物などから次々と神が生まれた。
・金山毘古神(かなやまびこのかみ、イザナミの吐瀉物から生まれる)
・金山毘売神(かなやまびめのかみ、イザナミの吐瀉物から生まれる)
(「金山」は鉱山のこと。金山毘売神(かなやまびめのかみ、金山姫神)とともに鉱山の神として信仰されている。)
・波邇夜須毘古神(はにやすびこのかみ、イザナミの大便から生まれる)
・波邇夜須毘売神(はにやすびめのかみ、イザナミの大便から生まれる) 土の神
(「ハニ」(埴)とは粘土のことであり、「ハニヤス」は土をねって柔かくすることの意とされる。)
・彌都波能売神(みつはのめのかみ、イザナミの尿から生まれる) 水の神
・和久産巣日神(わくむすひのかみ、イザナミの尿から生まれる) 食物(ウケ)の神。神名の「ワク」は若々しい、「ムスビ」は生成の意味であり、穀物の生育を司る神である。
和久産巣日神には以下の一柱の子がいる。
・豊宇気毘売神(とようけびめのかみ) 食物(ウケ)の神。豊受比売神
引用:兵庫県立歴史博物館「ひょうご歴史ステーション」 ・ウィキペディア
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