【迷走する普天間問題】3/5 第3海兵旅団の部隊編制

徳之島もグアムも論外、長崎と辺野古を提案する

迷走する普天間問題に元空将が緊急提言

JBPRESS 2010.05.19(Wed) 岡本 智博

第3海兵旅団の部隊編制

 これまでの説明を総括すれば、第3海兵旅団の戦略的価値は、“平時の抑止力及び緊急時の初動対処能力を保持することによって、東アジア・西太平洋地域の平和と安全に寄与する” ことであると、意義づけることができるわけである。

 その第3海兵旅団の部隊編制は次の通りである。

地上戦闘部隊(Ground Combat Element、GCE)キャンプ・ハンセン
航空戦闘部隊(Aviation Combat Element、ACE)普天間基地
兵站戦闘部隊(Logistics Combat Element、LCE)牧港補給地区
指揮部隊(Command Element、CE)キャンプ・コートニー

 第3海兵旅団は上述のような戦力を元に、自己完結性を確保して任務に就いているわけであり、これらの部隊は相互に近接して所在していなければ自己完結性が失われ、前方駐留の意味を失うこととなる。

 このうち普天間基地に所在する航空戦闘部隊は、「在沖縄米海兵隊の航空能力に関し、
(1)ヘリなどによる海兵隊陸上部隊の輸送機能
(2)空中給油機の運用
(3)緊急時に航空機を受け入れる基地機能を有している」(平成21年度防衛白書から)わけである。

 そしてまた、航空戦闘部隊と地上戦闘部隊の離隔は120マイル以内でなければならないとする、米国政府の説明の根拠もここに存在するのである。

 さて、「普天間基地」に所在する部隊の細部は次の通りである。

海兵隊普天間飛行場司令部、第1海兵航空団第18海兵航空管制群、同航空団第36海兵航空群、同航空団第17海兵航空支援群第172海兵航空支援中隊、その他

 このうちグアムに移転される部隊は次の通りであるが、先に述べたように自己完結性を維持するためのそれぞれの機能の一部は、当然、沖縄に残置されていることを理解しておくべきであろう。

 移転を予定されている部隊:第3海兵師団 (III MEF=The 3rd Maritime Expeditionary Force)約8000人の要員および約9000人のその家族(主としてキャンプ・ハンセン)

 このうち約8000人の要員に含まれる部隊等は次の通りである。

III MEF指揮部隊(キャンプ・コートニー)
第3海兵師団司令部(キャンプ・コートニー)
第3海兵兵站戦闘部隊司令部(キャンプ・キンザー:牧港補給地区)
第1海兵航空団司令部(キャンプ・バトラー:瑞慶覧)
第12海兵連隊司令部(キャンプ・バトラー:瑞慶覧)

 以上のような理解が進めば、「普天間基地」には沖縄に駐留する緊急対応部隊のための緊急展開に不可欠な輸送手段が存在しており、そのうち、KC-130空中給油機といった大型機は岩国に移駐し、ヘリなどの海兵隊陸上部隊の輸送機能がキャンプ・ハンセンに近い場所に残留し、体制を確立しようとしていることが理解できよう。
上述の赤字の部分の候補地が、辺野古地区なのである。

画像

上のチャートは米軍から譲渡されたものであるが、この方が具体的な理解の一助としてきわめて有効である。

 話は一転するが、読者の皆さんは、自分のブーツなり靴をどこに置いていますか? やはり身近なところに置くでしょう。
 すなわち、いざという時に自分の足となる輸送手段をキャンプ・ハンセンに位置する海兵隊陸上部隊に近接したところに置いておく必要があるということは、明々白々な条件なのではなかろうか。

 もし逆の発想をするのであれば、キャンプ・ハンセン及び辺野古地区、すなわち、米海兵隊の陸上部隊、航空部隊、支援部隊の全てを受け入れることができる移設場所があれば、それは戦術的合理性を満たすであろう。

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