【中国軍のエアパワー】6/8 多様化する「統合部隊運用能力」の向上

攻撃力を急伸させる中国空軍に備えはあるか
日本とアジアの制空権を中国が握る日が来る

JBPRESS 2010.05.31(Mon) 永岩 俊道

多様化する「統合部隊運用能力」の向上

人民解放軍は2006年以降、「機械化条件下の軍事訓練から情報化条件下の軍事訓練へ」と転換を図り、「情報化条件下における局地戦に勝利」するための「核心的能力」を高めることを軍事訓練の基本的重点と位置づけている。

さらに「核心的能力」に直結する「多様化する軍事任務遂行能力」の向上を図ることを、基本的な目標としている。
2009年からは「情報化条件下における一体化統合作戦能力の向上」を重点とした軍事訓練および評価大綱が正式に施行され、合同戦術訓練基地の運用・管理体制の確立および指揮・装備操作及び実員対抗等が活発化している。

2009年の軍事訓練の特徴として、実戦化、透明性の確保および非軍事行動の重視が挙げられる。
中でも、軍区をまたいだ訓練基地での実動演習である「超越2009」や、広州軍区が計画した全軍の砲兵、防空兵による情報化条件下における精密打撃実員実弾研究性演練検討活動の「火力2009」や済南軍区の「前峰2009A」、陸空統合火力打撃演習、解放軍の兵力投射能力を検証した「空挺機動2009」、国際テロを意識した演習である「長城6号」、軍・武警・民兵による海上統合救援演習である「鷲海2009」などにおいて、エアパワーおよびシーパワーの活用に関わる統合運用体制等が着実に検証されていることは注目に値する。

着実に進展している「次世代戦闘機開発プログラム」

ステルス性と高機動性を併せ持つ、米空軍の第5世代、F-22航空支配戦闘機(写真はウィキペディアより)

一般報道によると中国は、米空軍のF-22やF-35に相当する第5世代戦闘機と称される戦闘機をXX-Jのプロジェクト名で1990年代から開発している模様である。
XX-Jには、J-12、および、J-13(J-14)の2種類があるとされている。このうち、J-13と見られる機体の画像が公開されており、J-13に特徴的なカナード翼や2つの垂直尾翼が確認できる。ただし、現段階ではJ-13の特徴や詳しい性能は不明である。

何為栄・中国空軍副司令員は2009年11月8日のテレビインタビューにおいて、「第5世代戦闘機については、間もなく初飛行を行い、その後試験飛行段階に入り、8~10年後(2017~2019年)に部隊配備が可能」と発言した。

「間もなく」がどの程度の期間であるか不明であるが、何らかのメドが立った可能性があることは考えられる。
2009年11月23日の『新華網』によると、空軍関連部門責任者の発言として、「最近、メディアに取りざたされている『第5世代戦闘機』とは、J-10の改良型を指す」という報道があった。
副司令員の言及した「第5世代機」は成都開発モデルの可能性がある。また2009年11月11日、『環球網』に、J-10副総設計士(成都航空機工業公司所属)の発言として「中国の経済力・技術力から、F-22の水準に到達し超越することは可能。ただし、10年単位の期間が必要」と報道された。

2009年11月12日『漢和防務評論』(カナダの中国専門誌)に平可夫編集長の発言として、「中国は第5世代機に必要なエンジン、レーダー、複合材等の分野で世界の先端水準と大きな差がある。たとえ自主開発するにしても、初飛行は少なくとも10年後、部隊配備完了は最も楽観的に見積もって15年後である」と掲載された。

ロバート・ゲーツ米国防長官は2009年7月シカゴでの演説において、「中国の第5世代戦闘機は2020年以前に保有する見通しはない」と発言するとともに、「通常戦に関しては将来においてもその脅威対象や地域および戦争形態なども概ね掌握できており、米国にとっては十分対応可能な課題である」として、米軍の第5世代機に関する先進プログラムを抑制することとした。
この判断は、現在戦っている非対称戦に勝利することが米国にとっての最優先課題であるとしても、中国やロシアなどに対して第5世代戦闘機等先進兵器開発のための時間的余裕を与えてしまったとも考えられ、将来のエアパワーバランスに微妙な影響を与えかねないものと懸念するところである。

いずれにしろ、中国軍の先進技術動向には高い関心を持って注目する必要があるとともに、我が国としても技術趨勢に遅れることなく、さらに高度の先進技術プログラムを推進していかなければならない。

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