日本海側初のドクターヘリ いよいよ17日始動
コウノトリの郷豊岡からドクターヘリが飛ぶ
鳥取、兵庫、京都3府県が共同運航するドクターヘリが4月17日、公立豊岡病院(兵庫県豊岡市)を拠点に運航を始める。ドクターヘリは全国17道府県21か所で運用されているが、本州の日本海側を拠点とするのは初めて。また、鳥取県は、県消防防災ヘリコプターに医療機器を配備し、4月上旬にも運航を始める。ドクターヘリの拠点・豊岡病院から遠い県西部をカバーするため。医療活動ができるヘリ2機の導入で、山陰地方の救急医療体制は格段に充実することになる。
北近畿共同ドクターヘリ17日稼働 ABC「NEWSゆう」 10年04月16日18時26分
ドクターヘリの運航範囲は、豊岡病院を中心に、県全域と、兵庫、京都両府県の北部。同病院は、学校のグラウンドや駐車場など約360か所を臨時発着場に、年間230回の出動を見込んでいる。
同病院によると、来月から新たに4人の救急専門医が着任予定。鳥取市出身で、但馬救命救急センター長兼ドクターヘリ準備室長の小林誠人医師(41)を含め救急専門医は9人体制となる。
小林医師は鳥取市出身。鳥取大医学部卒業後、千里救命救急センター(大阪府吹田市)などでドクターカーに乗務。05年の福知山線脱線事故の際は県災害医療センター医師として現場指揮にあたった。今年1月に豊岡病院に着任し、就航に向けて準備を進めていた。
小林医師の働きかけで4月から20~30歳代の若手救急医4人が着任予定で、計9人の救急医がヘリに乗務する。小林医師は「緊急の場合は現場で開腹手術も行う。事故や急病での救命率が大きく向上する」とドクターヘリの効用を強調した。
小林医師は、「山陰地方は救急医療の過疎地。行政の枠にとらわれない救急医療を行うよう頑張る。ヘリでは気管挿管や点滴による薬剤投与、手術などの救命処置ができ、救命率向上や後遺症の軽減につながる」と話している。
一方、鳥取県は今月末にも、消防防災ヘリに超音波で内臓の状態などを調べる「携帯型超音波診断装置」、自動で心臓マッサージを行う「人工蘇生システム」を配備。8月には、飛行中のヘリから受け入れ先の病院の手術室にいる医師と連絡ができるイリジウム衛星電話を設置する。整備費は計約5200万円。
鳥取空港を拠点に、米子港の臨時ヘリポートで鳥取大病院の医師を乗せて現場に向かう。日南町で急患が出た場合、豊岡発のドクターヘリとほぼ同じ約40分で到着できるという。(2010年3月23日 読売新聞)
原則、午前8時30分から日没30分前まで、豊岡病院に待機し365日毎日運航します。夜間は近いコウノトリ但馬空港に駐機する。
KTV「ニュースアンカー 2010.4.15」以下同じ
平成22年4月17日 ドクターヘリ運航開始 公立豊岡病院組合
http://www.toyookahp-kumiai.or.jp/kinkyuu/dokuheri.html
ドクターヘリの目的は?
ドクターヘリを用いる最大の利点は、緊急患者のいる救急現場に医師・看護師を素早く送り届け、すぐさま救命処置を開始し 適切な医療機関への迅速な搬送が可能になることです。一分一秒を争う緊急患者の適切な治療が、いち早く行われることにより、 救命率の向上や後遺症の軽減に大きな効果が期待されます。
ドクターヘリの特徴は?
ドクターヘリは、時速200キロから250キロで飛行できるため、常駐する豊岡病院から、30km圏内を9分、50km圏内を15分、70km圏内を21分で医師・看護師を乗せ、移動することができます。 これにより、治療開始時間の短縮が図れ、救命効果を高めることができます。
ドクターヘリの運航範囲
原則として、豊岡病院から半径50km圏内にかかる消防本部の管轄区域を運航範囲とします。 ただし、ドクターヘリによる搬送が医療上有効と認められる場合や災害時には、その他の地域へも出動します。
ドクターヘリのQ&A
Q1 ドクターヘリの運航時間は?
原則、午前8時30分から日没30分前まで、365日毎日運航します。ただし、霧や雪、強風などの悪天候の場合は運航できません。
Q2 ドクターヘリの要請はだれでもできるのですか?
一般の方が直接要請することはできません。119番通報を受けた消防署がドクターヘリの出動要請をします。
Q3 ドクターヘリには緊急患者の他にだれが乗るのですか?
医師・看護師・操縦士・整備士の4名が必ず搭乗します。緊急患者は最大2名まで、付き添いの方は、どうしても必要な場合のみ医師の判断で1名乗ることができます。
Q4 ドクターヘリを利用した場合、費用はかかりますか?
救急現場や機内で行った医療行為については、一般の病院と同じように、医療費の一部が緊急患者の負担となります。
Q5 ドクターヘリはどこに着陸するのですか?
原則として、あらかじめ指定された公園や校庭などの臨時発着場(ランデブーポイント)に着陸します。
Q6 ドクターヘリで搬送される医療機関はどこですか?
原則として、ドクターヘリの基地病院である豊岡病院但馬救命救急センターに搬送します。ただし、医師が搬送患者の容体や搬送時間等を考慮して、他病院に搬送する場合もあります。
Q7 ドクターヘリが着陸するときの注意点は何ですか?
ドクターヘリが近くに着陸する場合は、速やかに退避してください。また、着陸後は救命治療を行いますので、近寄らないようにお願いします。
この件に関するお問い合わせは、下記までお願いします。
公立豊岡病院組合 統轄管理事務所 総務部 総務課
電話:0796-22-6111 内線:2114
fax:0796-22-0170
email:kikaku@toyookahp-kumiai.or.jp
豊岡市の公立豊岡病院を拠点に県北部、京都府北部、鳥取県をカバーするドクターヘリは17日に就航する。
そこで、これまでの動きを追ってみた。
公立豊岡病院
但馬救命救急センター長兼ドクターヘリ準備室長に就任した小林誠人医師
本格的な運用を前に、ヘリに乗り込む医師や搭乗員らと、各地の消防機関や医療機関との間で訓練が続いている。ヘリと地上部隊との連携や無線の受信範囲を確かめるなど、課題を洗い出して本番に備える。
訓練は今月2日から始まった。7日までの10回の訓練は天候にも恵まれ、無事に終わったという。16日までに合計で県内9回、京都府内6回、鳥取県内5回の計20回の訓練がある。(朝日新聞2010年04月08日)
勤務していた千里救命センターで挨拶をする岡本医師
事前にヘリの装備、機能などについて説明があり、午後1時半ごろ就航機と同型機が神戸空港から飛来。参加者が機内を見学して説明を受けた=写真、南丹市提供。この日は与謝野町の府立与謝の海病院でも説明会、試乗を予定していたが、悪天候のため中止になった。(朝日新聞)
4月13日 ドクターヘリと福知山市消防本部の実地訓練が13日、猪崎の由良川河川敷で行われ、連携を中心に手順などを確認し合った。市民の関心は高く、多くの人たちが見学に集まり、飛来した機体を見上げて期待を膨らませた。傷病者を乗せた各消防署の救急車とヘリが合流するランデブーポイントは、府内には173カ所設定された。
丹後地方は民間施設を含め68カ所。南丹地方は42カ所。中丹地方は学校を中心に公共施設63カ所(福知山市40カ所、舞鶴市4カ所、綾部市19カ所)が設定された。(両丹日日新聞)
12日に舞鶴市
4月7日 鳥取市内
鳥取自動車道・鳥取南インターで乗用車と大型トラックが衝突し、乗用車の男性が重傷を負ったとの想定。東部消防局が豊岡病院の運航管理室に出動要請し、26分でヘリが広場へ到着した。医師2人と看護師1人が降り、救急車内で応急処置を施した後、“重傷者”をヘリに乗せて県立中央病院に搬送した。(毎日新聞・山陰中央新報)
4月6日 丹波市市消防本部のヘリポート 救急隊員ら約20人が参加。午前11時、出動を要請すると、基地となる公立豊岡病院から実際にヘリが飛来。20分程度でヘリが到着した。(神戸新聞)
倉吉市の天神川河川敷など
県内での訓練は初めてで、今後、東、西部でも行って17日の運航スタートに備える。(読売新聞)
4月5日 京都府与謝野町 地元の医療や消防、行政関係者ら約60人が参加
訓練は、与謝野町内の70代の男性が胸の痛みを訴えている-との想定で始まった。宮津与謝消防組合本部(宮津市)の要請に、医師2人と看護師1人を乗せたドクターヘリが豊岡病院(兵庫県豊岡市)を出発。10分後、救急車が待つ大江山運動公園(与謝野町)に到着した。医師が救急車内で応急処置を行い、患者をヘリに乗せて約15キロ離れた府立与謝の海病院(同)へ5分以内で搬送した。
この日は綾部市でも同様の訓練があり、救急隊員ら約50人がヘリの誘導や患者の搬送手順を確認した。16日までに京丹後市や舞鶴市など4カ所でも行われる。市消防本部によると、綾部市から京都市内の病院に救急車で搬送すると通常は約1時間半かかるが、ヘリを使えば4分の1程度に短縮できることが訓練で確認されたという。(朝日新聞・京都新聞)
4月3日 新温泉町の山間部
町内の駐車場で50歳ぐらいの男性が倒れて意識がないという通報があったとの想定で、美方広域消防本部が午後2時半過ぎにヘリの出動を要請。事前にヘリとのランデブーポイント(合流地点)として指定されている同町井土の河川公園には、居合わせた人を退避させるなど安全を確保し、発煙筒で風向きを示すなどしてヘリの着陸を助けるため、消防の支援隊が向かった。
4月2日 朝来市防災センター(同市和田山町)
医師2人と看護師1人が乗り込んだヘリは公立豊岡病院(豊岡市)を飛び立ち、約9分で朝来市防災センター(同市和田山町)に到着。降り立った医師は救急車内で交通事故で負傷した想定の患者を診察し、応急処置やヘリに収容する訓練を行った。救急隊員らはヘリに搭載されている機器の説明を聞いた。(毎日新聞)
小林誠人・但馬救命救急センター長(41)は「地形の制約で無線が通じないところがあることが分かった。少ない人数でいかに安全に運用してゆくか考えたい」と話した。訓練は16日まで。17日から運用が始まる。
4月2日午前 豊岡市出石町出石中学校グラウンド(同市出石町弘原) 担当医や救急隊員ら23人が参加。
訓練は、狭心症の60歳男性が同町内の自宅で胸部の痛みを訴えて倒れたとの想定。119番を受けた豊岡市消防本部が、公立豊岡病院へドクターヘリ運航を要請するところからスタートした。(神戸新聞)
3月26日 公立南丹病院(南丹市八木町八木) 消防などから約50人が参加した。(朝日新聞)
3月21日 豊岡市大磯町のじばさんTAJIMA 救急医療考える 公立豊岡病院組合フォーラム
4月の救急専用ヘリコプター(ドクターヘリ)の導入を控え、救急医療のあり方を考える「救急フォーラム」(公立豊岡病院組合主催)が20日、兵庫県豊岡市大磯町のじばさんTAJIMAで開かれ、第一線の医師たちが現状について報告した。
フォーラムでは、但馬救命救急センター長兼ドクターヘリ準備室長に就任した小林誠人医師が「医師が救急現場に携わる意義」をテーマに講演。前任地である大阪府立千里救命救急センターでのドクターカーによる救急医療の経験を踏まえ、「医師と看護師が現場に駆けつけて早期の医療介入が行われることで患者の生存率は高くなる」と強調。
そして「地方においてこそドクターヘリ、ドクターカーによる“攻めの医療”の有用性が期待さえる。これから着実に取り組んでいきたい」と決意を新たにしていた。
このほか3人の医師による講演や「山陰における救急のあり方」をテーマにしたパネルディスカッションがあり、出席した病院や消防、自治体の関係者ら約200人が熱心に耳を傾けていた。
4月14日 県消防防災ヘリコプター「とっとり」就航式 米子市流通町の県消防学校
県消防防災ヘリコプター「とっとり」に医師らを乗せ現場へ飛ぶ“兼業ドクターヘリ”の就航式が14日、米子市流通町の県消防学校であった。最新の医療機器を装備し、飛びながら治療ができる。消防防災ヘリをドクターヘリとして活用するのは全国的にも少ないという。(毎日新聞)
ドクターヘリが兵庫県豊岡市を拠点に運航されるのに対し、医師らが搭乗する鳥取県消防防災ヘリは、豊岡市と離れた鳥取県西部やヘリが着陸できない場所での活動を目的に導入された。
鳥取県が運航する県消防防災ヘリに医師や看護師が搭乗し、傷病者の救急搬送時に現場で救急医療に当たる新たな制度が14日、始まった。17日に鳥取、兵庫、京都の3府県による共同運航が始まるドクターヘリと併せて傷病者の救命率の向上が期待される。
鳥取県と鳥取大学などが連携。鳥取空港に待機しているヘリが米子市の鳥取大病院付近に行き、医師や看護師を乗せて現場に向かう。ヘリには新たに心拍数の監視や超音波画像診断などの機器を約5千万円かけて搭載した。(日本海新聞・山陰中央新報)
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