日本を語る資格がないアジアの一等放送局
地上の星 中島みゆき NHK紅白歌合戦
元文科相 中山成彬
四年ほど前まで、毎週火曜日の夜が来るのを楽しみにしていました。公務や会合などのない時はなるべく早く帰って、テレビに見入るのです。その番組の名は、NHK「プロジェクトX~挑戦者たち」。技術開発などの現場で働く無名の日本人が、使命感に燃える仲間とともに難題を克服し、壮大なプロジェクトを実現していくという、感動的なドキュメンタリー番組でした。
(中略)
この番組に私自身、どれほど勇気づけられたことか-。日本人は素晴らしい、心からそう思える番組でした。
そして番組が終了してから約三年半、久々の大型ドキュメンタリー番組が今春からスタートしました。それがNHKスペシャル「JAPANデビュー」です。・・・ところがその期待はものの見事に裏切られました。この番組の放送後、私のもとには多くの方から電話やメールが寄せられました。「捏造だ」「許せない」「政治の力で何とかして欲しい」というのです。
以上、抜粋
こんなにずさんだったJデビューの製作現場
NHK現役職員からの告発
NHK職員の私が、このような形で「正論」の編集者と接していること自体、職場に対する裏切りかも知れません。まずは内部で声を上げ、あのようなずさんな番組を二度と作らないよう自助努力するのが筋と言えましょう。しかし、NHKほど硬直した縦割り組織はありません。今回の番組製作に直接関係のない私が言っても、一顧だにされないのが実情です。もはやNHKを立ち直らせるには、外部からの厳しい批判が必要なのではないかと考え、知る限りのことをお話ししたいと思います。同時にすべての職員があの番組を擁護しているのではないことを、どうか理解してほしいのです。
あの番組「シリーズ・JAPANデビュー」の第一回「アジアの一等国」が放映されたのは4月5日の夜でした。新生NHKを象徴する番組として鳴り物入りでスタートした大型ドキュメンタリーでしたが、親日の台湾を反日と位置づける一方的な内容だったことは、今さら言うまでもないでしょう。NHK内部でも疑問の声が多く、放送直後から各職場で「これ、やばくない」「やりすぎだよ」といったささやきが漏れました。案の定、視聴者コールセンターには抗議の電話やメールが殺到。その数は三千件を超え、NHKが最も力を入れているNHKスペシャルとしては、前代未聞の抗議の嵐となったのです。私自身、番組づくりで外部の有支持者や専門家らと話をする機会が多いのですが、「NHKはどうしちゃったの」まどと何度も言われました。
(中略)
「日台関係を離間させるつもりか」とも、「中国共産党の片棒を担ぐのか」とも批判されましたが、私の知る限り、そんな大層な目論見があったわけではありません。ディレクターの意識の低さと取材のお粗末さ、上層部のチェックの甘さという、極めて次元の低い問題でした。要するに、いい加減だったのです。
そもそもこの番組は、じっくり練られたものではありませんでした。相次ぐ不祥事発覚で、二十年ぶりに外部から福地茂雄氏(元アサヒビール会長)がNHK会長に招聘されたのが昨年1月、この会長の下で、目に見える改革方針を打ち立てなければと新経営計画が策定されたのが昨年10月。大型番組の製作を謳ったこの経営計画に基づき、プロジェクトが本格化したのが今年1月ごろ。以後わずか三ヶ月余りで第一回「アジアの一等国」は放送されました。
番組を製作したディレクターは以前、大戦末期の台湾航空戦に関するドキュメンタリーを手がけたこともあり、台湾について全く無知だったわけではないようです。とはいえ、台湾の事情に精通していたとも聞きません。
聞くところではスタッフら関係者が熱心に呼んでいたのは、小林よしのり氏の「台湾論」ぐらいで、そのマンガ本は今もプロジェクトルームの本棚にあります(もっとも「台湾論」とは似てもにつかない内容だったが)。
報道局に皇室軽視の雰囲気
第一回「アジアの一等国」が猛烈な批判を受けたため、第二回「天皇と憲法」はさすがに慎重になり、過激な表現や余計なコメントがかなり削られたと聞きます。
しかし、その修正が何の意味もなかったことは、放送された番組を観れば明らかです。今の日本に天皇は不要だとする制作側の意図が透けて見える内容でした。
遺憾ながらNHKには、皇室に批判的な考えを持つ職員が少なからずいます。もっともこれはNHKに限ったことではなく、多くのメディアに共通する問題といえるでしょう。左寄りの思想を知的なものと持ち上げる一方で、保守的な考えを何の根拠もなく馬鹿にするような風潮が根強くあります。
中でも報道局はその傾向が顕著で、NHKにおいても、皇室の存在を軽んじようとする雰囲気に溢れています。(中略)「天皇と憲法」は、そうした報道局の社会部記者たちも協力して作られました。加えて最近の記者たちは、意識が低い上に取材力も劣化しています。
上層部は「待った」かけず
最大の問題は、上層部のチェック体制にあります。NHKスペシャルともなれば、事前に理事など上級管理職を集めての試写があります。ましてJ.デビューは新経営計画にも謳われた大型ドキュメンタリーですので、局内の関心も高く、クォリティーの高さが問われていました。それなのに何故、試写などで「待った」がかからなかったのか。
まともな感性であれば、オープニングのタイトルバックを観ただけで、「これは何だ?」と感じたはずです。
登場する映像は、炎上する特攻機、演説するヒットラー、勝ちどきを上げる日本兵、死体の前でなく中国人女性と続き、軍馬に乗って敬礼する昭和天皇の映像が現れます。そして哀しげな母子と原爆ドーム・・・。その意味するところはあまりに見え透いています。このタイトルバックで、誰が昭和天皇にプラスのイメージを持つでしょうか。TBは比較的早い段階で出来上がっているので、いくらでも変える時間はあったはず。何故誰も問題視しなかったのか疑問ですし、そのタイトルバックを第二回、第三回と流し続ける神経が信じられません。
(中略)
福地会長は、個人的には内容が一方的だったとは感じなかったと述べていますが、経営面ではプロですが番組づくりでは素人です。責任は福地会長を補佐する生え抜きの理事にあります。何をやっていたのかと言いたい。
理事の中には民間企業から過剰な接待を受けているという噂の絶えない人もいます。政治家とベタベタだと後ろ指さされる人もいます。そうした人たちが、一新されたはずの経営陣に加わっているのですから、信頼回復のかけ声など何の説得力もありません。
NHKを歪める二つの“膿”
NHK内部の救いがたい“膿”として、ニッポロ(日放労=日本放送労働組合)の問題に触れないわけにはいきません。ベ平連(ベトナム反戦運動)の闘士だったノンフィクション作家、吉岡忍氏の講演会を開くなど、極めて偏向的な組織です。それが間接的にせよ、NHKの反戦・平和運動のあり方に少なからず影響を及ぼしているのです。
ニッポロには二十数名の専従組合員がおり、NHKの一般職員から徴収される組合費は年間六億円にも上ります。その発言力は大きく、とりわけ経営側へのプレッシャーは相当なものです。しかし元はといえば国民の受信料であり、偏向的な活動に使われていいはずがありません。NHKの子会社も含めた組合全体のトップは連合の副会長も務め、都内の一等地の億ションに住んでいます。その金はいったいどこから出てきたのでしょうか。
“膿”といえば、NHKの国際放送も非情に問題が多いと言えます。政府の交付金を受け、海外の外国人に向けて配信する番組ですので、当然、日本の国益に資するものでなければなりませんが、国際放送局の職員にその意識は全くありません。NHK内部で国際放送局は非情に軽く扱われており、仕事のできない職員や不祥事を起こした職員のたまり場となっています。国際放送局への人事異動が内示されると、「あいつ何か問題起こしたのか?」と噂になるほどです。
(中略)
国際放送と並び、海外滞在邦人を対象にした外国向け番組配信もありますが、それに携わる職員の意識はさらに低く、今はただ、ジャパンデビューを安易に配信しないよう祈るだけです。
NHKは新経営計画で、「すべては視聴者のみなさまのために挑戦します」(どこかで聞いたようなフレーズ。そうアサヒビール「すべてはお客様のうまいのために」の真似・・・現会長はアサヒビール出身)と高らかに謳い、インサイダー取引など一連の不祥事を生んだ体質と決別する姿勢を示しています。しかし中身は何も変わっていないどころか、むしろ悪化していることは、私たち職員自身が感じるところです。
今や、信頼失墜の元凶とされる海老沢勝二元会長の時代を懐かしむ声もあるほどです。その頃にも反日的な偏向番組はつくられていましたが、ここまでひどくありませんでしたから。当時は曲がりなりにもチェック体制が機能していました。
(中略)
誰が編集権を持ったいるのかさえ曖昧です。チェックは無きに等しく、ほとんど素通りです。
今回の問題(ジャパンデビュー)で、理事たちの無能ぶりと無責任体質が露呈しました。彼らに自浄努力は期待できません。職員の私が言うのも変な話ですが、まずは徹底的に膿を出し切ることだと、思っています。
縦割り組織のNHKは、立場の強い準に、報道、ドラマ、技術、営業、総務などの部門に分かれています。このうち不祥事やトラブルを引き起こすには大抵、エリート意識の強い報道の記者や製作ディレクターで、普段は目立つことのない技術や総務の職員の多くは、公共放送の一員であることに誇りを持ち、やり甲斐を感じて日々の仕事に励んでいます。報道や製作の職員の中には、「NHKの放送はすべて正しい」と虚勢を張る傲慢さがありますが、今回の問題を契機に、外部からの批判によって一度はペシャンコになることを、私はあえて望みます。その先にこそ、本当の意味での「みなさまのNHK」が見えてくるでしょう。
『月刊正論』平成21年8月号より
地上の星 中島みゆき NHKプロジェクトX~名言集
私も、NHKプロジェクトXが大好きな視聴者の一人だった。今年からNHKスペシャル・シリーズが始まった。しかし、大型プロジェクトといいながら、実に拙速な製作だったのかは、JAPANデビューが日本の開国から始まるのであれば、なぜ第一回がいきなり台湾統治なのかと不思議だと感じた。そしてその内容が、あまりにも一方的でおかしいのと憤りを感じていた。そのころチャンネル桜を観るようになっていたら、そのことが大きく話題に取り上げられており、多くの方々が憤りをもっておられることを知ったのだ。
このシリーズは、歴史の順番も取り扱うテーマも無茶苦茶である。
アジアの一等国なら、本来、せめて「坂の上の雲」から始めなければおかしい。
そして教育テレビのETV朝鮮半島も同様に偏向している。日韓共同で歴史の共有できる部分は相互理解を深めていくことはNHKができる大事な取り組みだと思っている。しかし、NHKは日本の独立した公共放送局である。韓国側の歴史観が問題である以上、一部の学者の意見を優先することはないし、それを正していくことが番組に求めれる絶好のチャンスだと思うからだ。改めて大河ドラマの脚色が時代と異なって脚色されていても見逃せるが、歴史は事実を探求することでなければならない。すべて朝鮮半島から伝わったものではなく、日本から半島に伝わった文化も多いことも伝えてこそ政府ではないNHKができる友好プロジェクトなのだ。NHKの影響力の大きさは、朝日新聞の捏造が国際問題に利用され外交上難しくした大罪であるのと同様に、一度製作した番組が証拠として残り政治的な凶器にもなりやすい危険もはらんでいることを、充分に認識していただきたいとNHKに思うからである。
■ブログ内リンク
日本を語る資格がないアジアの一等放送局
http://koujiyama.at.webry.info/200912/article_14.html
墓穴を掘るNHKの軽薄な意図
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朝日新聞の狡猾な手口
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【国民総決起】民主党とメディアがさらに迷走へ導く
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腐りきった伏魔殿NHK
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情報操作 稲田朋美議員を放送しないNHK
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祝!「JIN 仁」 視聴率20.3%
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伏魔殿NHKの実態を暴く
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NHK・朝日新聞が偏向する理由
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朝日の組織改革から見通せる大新聞の未来像
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日本のメディアが日本を滅ぼす
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草莽崛起 青山繁晴氏の講演
ジャーナリスト、青山繁晴氏の講演会が、11月28日に日本会議大阪北摂支部主催により、大阪府神社庁会館にて行われたようだ。