国会議員の仕分け参加は違法~自民・世耕氏
< 2009年11月19日 17:02 >ブックマーク
19日午前に行われた参議院総務委員会で、自民党・世耕議員は「行政刷新会議の事業仕分けに参加している国会議員は、公務員との兼職を禁止した国会法に抵触している」と指摘した。
これに対して、原口総務相は「事業仕分けチームは行政組織ではなく、国会法には違反しない」と強調した。
世耕議員はさらに、「国の金を支出して、国関係の場所を使って、国のスタッフまで使って、でもその上に立つのは行政のメンバーではないというのは、どう考えても詭弁(きべん)でしかない」と厳しく批判した。
行政刷新会議の行っている「事業仕分け」のメンバーに議員と民間メンバーがなって、財務省主計局が作成した対象リストを元に四千以上もある中よりとくに二重行政や廃止対象の主だった400余りを短時間に評価する。これまで国民には分からなかった事業の予算や目的が公開されたことは評価が高い。しかし、国民の意見として参考に聴くならいいが、国民が選んでもいない何の権限もない仕分け人と呼ばれる民間人が有益か否かを即断していいのだろうか。しかも事業仕分け自体が大臣・副大臣・政務官が仕分けをするのが本来の役目であり、どのような政策を立てて最終的に事業を決定するのは政府の役目だろう。
また、研究開発や教育などはすぐに結果が出ないから利益第一の民間ではなく国が長期的に行わなければならない性質のものだろう。種を植えなければ芽は出ない。やがてつぼみになって花が咲くかも知れない芽まで摘んでしまう。
鳩山内閣の世論調査で一旦下がったが、下げ止まりになっている要因として一般公開された事業仕分け作業の評価が高いからである。しかし、事業仕分け作業と似た組織は小泉元首相内閣発足時に行政改革の目玉に経済財政委諮問委員会があったので新しい試みではない。またそれは一般公開されず、またその後はほぼ大きな刷新は必要なく機能しなくなっていた。
上久保誠人(早稲田大学グローバルCOEプログラム客員助教)ダイヤモンド社HPは、
小泉政権との比較では、年末までの削減目標額の差が1兆円で、実は大きな違いはない。鳩山政権の概算要求の問題点は、総額が膨らんだことではなく、むしろその中身である。
小泉政権は予算総額の削減と重点分野への予算配分に指導力を発揮した。その反面、概算要求後の財務省と各省庁の間に族議員や業界が複雑に絡む個別案件の決定過程にはほとんど関与できなかった。そして、その結果自民党政権下では各省庁、族議員、業界団体の既得権益が守られてきたと鳩山政権は批判する。この既得権益を打ち破るには、予算総額の抑制だけでなく、個別予算の編成過程に切り込む必要があるというのが、「事業仕分け」を断行した理由である。これは小泉政権でさえ手をつけなかった部分で評価に値する。
問題はこの「事業仕分け」後に行われる、財務省主計局による各省庁の予算査定である。
前述の通り、これまで財務省は各審議会が示す指針に従って予算を査定してきた。しかし、鳩山政権は予算査定の基本方針を示してきた「経済財政諮問会議」を廃止し、各省庁のほとんどの審議会の議論を停止させた。審議会が、官僚や旧自民党政権の強い影響下にあるのが理由だ。
審議会の停止で各省庁の予算要求する事案に優先順位がなくなり、各省庁はすべての事案で一律に予算要求してきた。今後、財務省が審議会の指針という楯を持たずに、各省庁の予算要求をどこまで抑えられるか不透明なのである。
「行政刷新会議」では、「事業仕分け」を受けて、財務省の予算査定や、各省庁の要求見直しの際に尊重すべき9項目の基準を決定した。しかし、これは「やらないこと」を決めただけだ。
「事業仕分け」とは「野党的アプローチ」であり、それはこの連載で提案してきたことではある(第33回)。だが、政権を担うならば、やるべき政策がなにかも決めなければならない。
そもそも予算編成の指針は、新設の「国家戦略会議」で決めるべきものだったが、まだ機能していない状況である。その代わりに、各省庁では議論を停止した審議会の代替として、政務三役がやるべきことを政治主導で取りまとめようと動き始めた。しかし、付け焼刃で拙速に決めるものが、省庁で長年検討してきた政策に勝るのだろうか。この連載では「国家戦略会議」について、1年くらい議論してから設置すべきと主張した(第32回)。マニフェスト以外の各省庁の政策についても、1年ぐらい議論して方針を決めるべきではないか。これは、小泉政権が初期に取り組んだことでもある。
更に、鳩山政権がマニフェストの新規政策の見直しに着手したのも間違いだ。小泉政権1年目の予算過程では、5兆円削減と2兆円の重点分野配分を決断し、ブレなかったことで公約を達成した。鳩山政権もマニフェストに徹底的に拘ることで、各省庁に対して通常予算の削減に強い圧力を掛けるべきだ。目先の予算削減の厳しさで簡単にブレていては、各省庁の予算要求圧力を抑えられない。
鳩山政権は、1年目に「できること」と「できないこと」を国民に丁寧に説明すべきだ。1年目にできるのはマニフェストの実現と、無駄の削減だけである。見せかけの政治主導で拙速に物事を進めても、国民をごまかすことになる。
民主党の政治文化とは(第25回)、上手くいかないことも公開し、政治の実情を国民に正直に伝えることのはずだ。
その前に隗より始めよ。国会議員が襟を正せ。最大の無駄は民主党の新人議員の数と高い報酬だろう。発言もさせないで育つものか。日当でいい。
会議を一般公開して見せるのは初めてのことなので注目されるが、よく考えてみると法的執行力はなく、テレビの政治番組と大差なく見せ物ショーというパフォーマンスに過ぎない。仙谷相も参考に閣僚で審議するといっている。
一院制が議論されている。政党による衆議院と変わらない選挙方法の議員では審議日数がかかるだけで意味がない。参議院で否決されても衆議院に戻されて可決されれば通ってしまうならこういう議論が起きるのも当然である。小泉元首相が参議院を廃止して一院制案を唱えたことがあったが、政権が変わり消えてしまった。
ならば、かつての元老院や貴族院である参議院は、衆議院から上がってきた可決案を再度審議するために識者や経験者で構成されていた諮問機関なのだから、参議院は、立法や行政の政策をチェックする機関として仕分け作業を民間人で構成させなくても、参議院こそそれを行う国の議会ではないだろうか。日本はイギリスの「貴族院・庶民院」の両院制を取り入れた。イギリスではその後名称を改めて「元老院・代議院」としている。米国では上院に当たる。マニフェストなど英国議会が好きな民主党なら、参議院の議員資格こそ再考してはどうか。国民から選ばれない民間人が政府の事業を無駄か否かで裁判するような仕分けなど本末転倒で政府と国会軽視ではないか。
批判してきた野党時代の民主党ではないのだ。与党は削ることだけではなく建設的に政策を立てて遂行するのが役割だ。
毎日新聞世論調査:内閣支持率64%、8ポイント減 仕分け「評価」74%
今日から事業仕分けの
第2ラウンドが始まります。
事業仕分け:再開 官庁営繕費、国際会議経費は「縮減」
政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)は
24日午前、予算の無駄を洗い出す「事業仕分け」を
再開し、後半4日間で