神戸新聞(09/06/11)
除草機の使い方を説明する朝来農業改良普及センターの職員=朝来市山東町三保
兵庫県朝来市山東町で「コウノトリ育(はぐく)む農法」に取り組む農家を対象にした抑草技術研修会が10日、同町三保などで行われた。雑草が生えた場合の対処法として、除草機の実演も行われた。 (三上彰規)
同農法は、環境に負荷をかけずに安全安心な米作りを進めるとともに、田んぼにコウノトリの餌となるドジョウやカエルを増やすのが目的。豊岡市を中心に2003年度から取り組まれており、朝来市でも06年から4戸の農家で始まった。08年には24戸に増え、栽培面積も約26ヘクタールまで拡大している。三保地区と田中地区がモデル集落として取り組んでおり、今年3月には三保地区に南但初のコウノトリ人工巣塔が立てられた。
研修会には約25人が参加した。朝来農業改良普及センターの指導で抑草技術のポイントをおさらい。冬期湛水(たんすい)でトロトロ層をつくり雑草の種子を埋没させて発芽させないことなどを確認した。
それでも雑草が生えた場合の除草機の実演が行われた。メーカー品のほか、1本のチェーンを波形のようにして棒に取り付けた簡単な器具についても試した。この棒を苗の上を滑らせるように引っぱると除草できる仕組みで、苗がしっかり根を張れば使用できるといい、注目を集めていた。
同農法を続けると水に強い雑草が生えやすくなる弱点を克服するため、水田を3年に1回黒大豆畑にして、雑草を減らす輪作に取り組んでいる水田も見学した。
県北部農業技術センターの衣川清喜技術参与(環境創造型農業担当)は「コウノトリは各地に飛来しているが、不思議と無農薬の水田に降りてくる。きっとここにもコウノトリが来るでしょう」と話した。
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