北方領土について貴重な記事なので書く。
特集あの戦争は忘れない 太平洋戦争 最後の戦場「占守」浅田次郎 月刊WiLL9月号
この記事は、浅田さんのクリ諸島の戦いが部隊となっている最新作『終わらざる夏』についてであるが、思いのほか重要と思った部分ので引用する。
占守(シュムシュ)島の戦いを知ったのはいつですか?
浅田 自衛隊にいた時です(浅田氏は高校卒業後、自衛隊に入隊)。戦争の事を教わる時間があって、その中で知りました。それまでは聞いたこともなかった。
-普通の人は知らないでしょう。その時どう思われましたが?
浅田 まずああいう戦争だから、終戦ぴったりおわったわけではないだろうなと思いました。終戦前に始まり、8月15日以降も続いた旧満州でのソ連軍と関東軍(日本)との戦いは知っていましたし。
しかし、旧満州は「やめろ」と言ってもやめられなかった戦争です。占守島は、終わってから始まった戦争です。この違いは大きいと思います。そこに興味を覚えました。
なぜこんなことになったのか。近代史のミステリーです。真相は分からない。
「四島」の根拠は何?
(中略)
浅田 僕は戦後の恣意的な国家の思惑が羽根井されているんじゃないかと考えています。この戦争は、対ソ連(ロシア)との外交交渉に微妙に関係してくる。だから触れない、大きくしない、国民に知らせないようにしたのでは、と。現在だって北方領土に大きく関係する問題です。
ずっと疑問に思っているんですが、何で北方「四島」なんでしょう。この「四島」に根拠がない。
最初に四島を言いだしたのは誰なんだ。それを言い出した次点で譲歩している事になる。あれが日本領土だっkたら、蟹とか鮭とかうまいものを安く食べられるのに(笑)。
(中略)
世界史よりも日本史を
《自分が幸福を感じたとき、その幸福が一体誰によって、何によってもたらされるのかを、必ず考えなければならない。そうでなければ幸福を受け止める資格がない》小学校の恩師浅井マキ子
僕は文学と同じくらい歴史が好きですが、歴史を学ぶ心得として、「この歴史があった結果として今の自分がいる」という考えが必要だと思います。
だから、学校教育で世界史は必修だけど日本史は選択科目だなんて馬鹿な話です。僕らがこうして生きている限り、もし幸福であるならこの幸福は誰によってどのようにもたらされたのか、もし不幸なら誰が元凶でどういう経過でこんな惨めな思いをしなければならないのか、という確認をするのが歴史です。
そのためには身近な歴史ほど重要になる。だから世界史よりも日本史、古代史よりも近現代史が大事になる。
そういった教育がされていないから、いまの世の中では幸不幸がどのようにもたらされているのかを考えなくなってしまった。
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