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中国に世界をリードされてはたまらない 2/4 日本人為は絶対に謝罪できない、中国側の事情

日本人為は絶対に謝罪できない、中国側の事情

 中国政府のこういった姿勢には、多くの日本人は戸惑いを覚える。いやそれだけではなく不信感や祭祀の心さえも芽生えさえているかも知れない。(中略)両国の関係はお互いに互恵平等のはずだ。
 どちらかの行いに間違いがあるとすれば、それを忌憚無く指摘して修正していける関係でなければ、21世紀の現在にとても友好国同士とは言えないだろう。
 
 ところが中国は、そういった日本の指摘(あるいは抗議)を、常に、毎回、必ず、徹底的に、無視をする。
 まるで最初から「日本人に対しては、中国側にどんな落ち度があろうとも絶対に過ちを認めてはならない」と、頑なに決め込んでいるようである。

 なぜ、こんな事になってしまっているのか…?
 これは、儒教を中心とする中国人の伝統的価値観の知識がないと、日本人には理解が難しい。
 中国や南北朝鮮半島のような儒教社会では、「初対面の時の上下関係がその後にもが、その後にもずっと支配し続ける」という習慣がある。つまり最初に知り合った際に、“上位の存在”と認識された相手は、その後も必ず上位であり続けるのだ。
 だから中国人や韓国人たちは(そしてそれが可能であれば北朝鮮人たちも)普段から、なんとかして初対面の時の自己のヒエラルキーを上げるために、ロレックスの金時計とか、ダブルの背広とか、あるいはベンツの高級セダンとかにこだわる。それが彼らの社会では小道具として常に有効であることを知っているからだ。

 これは個人としての中国人の習慣に留まらない。中国政府も、国家としてまったく同じ行動を取る。
 (中略)中国人は、彼らが有効だと信じているロレックスの金時計やベンツの高級車、北京のまるでSF映画を思わせるような未来的なデザインの空港(それは日本のODAで建設されたのだが)や高層ビルなどの大道具小具が、一部の見識のある日本人に対しては通用しないことを知っている。というか、戦後に日中の国交が回復した1972年の時点で、そもそも日本国民と中国の公民の間にはすでに圧倒的な経済格差があった。

 当時は1976年に毛沢東が死ぬ前。つまり文化大革命の真っ最中である。それまで中国人たちは皆、「「日本人はアメリカ帝国主義の支配の下で喘いでおり、人民は皆、独占大資本の搾取に苦しみながらアメリカ兵の吐き捨てたチューインガムを奪い合って飢えを凌いでいる」と教えられてきたのに、人民公社の生産大隊を見学に来た日本人は皆、立派な服を着て高性能カメラを手にし、空調のきいた豪華な観光バスに乗り恩で外国人専用のホテルに宿泊していたのである。

 このことは「文化大革命の偉大な勝利」に酔いしれていた当時の中国人たちのプライドをいたく傷つけた。戦後三十年近くを経て再会した両国の国民同士の関係は、経済的に日本人の優勢で始まったのだ。これをそのまま認めてしまっては、将来に渡っても中国人は日本人に頭が上がらなくなる…。そんな未来を心配した中国政府の首脳たちは、経済力とは別の価値観から日本人を下位におとしめる方策を考え出した。

 つまり日本人を「道徳的に卑しい民族」と決めつけることによって、自分たちの優位を保とうとしたのである。
 「日中戦争~第二次大戦においてアジア諸国を侵略し、人民を塗炭の苦しみに追い込んだ日本人は道徳的に劣った民族である」と。
「中国に世界をリードされてはたまらない」
儒教に発する傲慢なふるまいは修正不能 曙機関 (『正論』8月号)

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