軍事、経済が急膨張する中国、その弱点は?
共産党政権の矛盾が表面化する危険性も
JBPRESS 2010.06.16(Wed) 茅原 郁生
おわりに
米国のバラク・オバマ大統領と会談する中国の胡錦濤・国家主席(今年4月)〔AFPBB News〕
急台頭する中国は、その強い経済回復力によって世界経済の牽引車と称揚され、米中G2時代とまで言われている。
この大国化する中国は覇権国家を目指すのか、主として統治体制の安定と経済発展の関係などに着目してこれまで中国の国家目標や戦略の現状を見てきた。
言うまでもなく中国はさらなる発展と大国化を目指している。その国家目標には建前的に「中国の特色ある社会主義の建設」を掲げて共産党統治を続けるだろうが、共産党統治の正統性や正当性に対する疑念は政治改革の要求となって国内の確執や摩擦は加熱化されよう。
さらに「国家統合」の面では、続発する少数民族の離反などへの対応で緊張事態は多発していこう。
ゆとりと調和ある社会を目指すが限界も見えてきた
中国は国内の安定と統一を目指した「小康社会の全面建設」や「和諧社会の建設」などを掲げて国民不満の解消を図り、政権への求心力を強めようとしているが限界が見えてきた。
結局、中国内の安定は軍隊など強権力への依存を強めることとなり、軍事力が存在感を増すことになろう。
さらに国際的にも、「富国強兵戦略」の成果が軍事力強化につながり、軍事的な威信やプレゼンスが海洋や宇宙にまで拡大される中で緊張事態の続発は不可避となろう。
これらから中国の国家目標や戦略に直結する軍隊や武警の運用をどう見るか、国防近代化政策や軍事戦略の動向が次の問題となるが、これについては改めて検討する必要がある。
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