英国の新政権は動きが素早い うらやましい。
日本の常任理事国入り支持 英政権、印と「特別関係」
産経新聞 2010/05/20 22:43英国のキャメロン首相率いる保守党と自由民主党の連立政権は20日、連立合意の詳細を発表、外交面では日本の国連安全保障理事会常任理事国入りを支持する一方、インドと「特別関係」を構築、中国との関係緊密化を追求するなど、新興国重視を明確にした。
日本の常任理事国入りは労働党前政権に引き続き支持。新政権は「日本、インド、ドイツ、ブラジル、それにアフリカの代表」の常任理事国入りを含む安保理改革を求めるとした。
インドとは旧宗主国として深い関係を維持してきたが、両党合意では主に対米関係に使われる「特別関係」という用語で、関係を一段と強化する意思を強調。対中関係も深化を図るが「人権問題については、両国のあらゆる関係の中で、揺るぎない姿勢を取る」とし、前政権より厳しい態度で臨みそうだ。(共同)
あまり大々的に報じられていないこの記事に、思わず目がいった。第二次世界大戦連合国のアメリカと並ぶリーダーイギリス(といっても国力が違いすぎるが)が、日本の国連安全保障理事会常任理事国入りを支持すると公式発表したのだから。元々枢軸国とされたドイツ、イタリア、日本に常任理事国入りは長年の日本の悲願である。
国連というと平和を目指すための組織と思われているが、早く言えば、第二次世界大戦の戦勝した大国で組織した戦勝した連合国が母体で、連合国(United Nations)、略してU.Nである。どこかの日本のとんちきがこれを国際連合と訳したことで誤解を与えている。戦前の国際連盟と同様に思ったのであろう。
つまり戦後から65年、核保有国の5か国が常任理事国となり、ドイツ、日本、イタリアなどの非核国に拒否権と押さえつけてきたのである。要するに実質的に「金は出しても口出すな」のいじめである。だから、連合国がそもそも敵対関係にある枢軸国対策目的に創設された組織なのである。そこでドイツ、日本が常任理事国入りを果たすことでようやく、世界平和という目的に叶う理想的組織になるから画期的なことなのだ。
日本人は「水に流す」という美的精神の国民である。終わったことをいつまでも根に持つことは武士道精神ではない。悪く言えば忘れっぽいのだ。日本人もイタリア人も。神道は終わったらすべて神として罪を問わない。しかし、違う精神文化を持つ国がお隣にいるのだ。国民性の違いなのだから仕方がないが、だからといって合わせて言うことを聞けばきりがない。調子に乗らせるだけだ。
伊藤博文がをドイツの憲法を倣って大日本帝国憲法を創案したように、理論的な国だけあって現実的で前向きだ。ニュールンベルク裁判では戦争をヒトラーのせいにして周辺国に謝罪も賠償もしていない。戦争には互いの言い分がある。ところがそうでないのが不当な東京裁判である。工作したのは中国の南京大虐殺だ。やってもいない事をでっち上げて、それに乗せられたのがマッカーサーだった。
『ウィキペディア(Wikipedia)』からおさらい
常任理事国
常任理事国の正式名は、国際連合安全保障理事会常任理事国、通称国連安保理常任理事国または単に常任理事国。
国際連合安全保障理事会を構成する15の理事国のうち、任期が設定されていない次の5ヵ国が常任理事国。これらの国は大戦の連合国で構成されている。
アメリカ合衆国、イギリス、中華人民共和国(1971年までは 中華民国(台湾))、フランス、ロシア (1991年までは ソビエト連邦)
この5ヶ国を「5大国」または、英語の Permanent 5 から「P5」とも呼ぶ。
常任理事国は、実質事項(非手続事項)について拒否権をもつ。実質事項の審議において常任理事国が1ヶ国でも反対すれば提案は否決される(大国の反対により理事会決定の実効性が失われる事を防ぐ「大国一致の原則」)。
この5ヵ国の常任理事国とは異なる非常任理事国とは、国際連合安全保障理事会を構成する15の理事国のうち、任期が設定されている10ヶ国のことである。任期は2年で、毎年半数の5ヶ国が改選される。2期続けて非常任理事国になることはできない。
2008年までに、日本は9回当選し、1958-59、66-67、71-72、75-76、81-82、87-88、92-93、97-98、2005-06年に非常任理事国を務めてきた。2008年10月17日に実施された2009-10年の改選においてアジア枠でイランを破り、10回目の当選を果たした。2010年までの任期を務めれば全部で20年間となり、これは最長である(2位はブラジルの18年)。加盟国のうち、140ヶ国は1度だけの選出か未選出である。
常任理事国の現状
常任理事国はアメリカ合衆国・イギリス・フランス・ソビエト連邦(現在はロシア連邦)・中華民国(現在は中華人民共和国)の5大国からなっている。しかし実質事項(非手続事項)について拒否権を有しているため、実質事項の審議において常任理事国が1ヶ国でも反対すると提案の可決はできない(大国一致の原則)。冷戦期にはアメリカ・ソ連が度々拒否権を行使し、国際政治の停滞を招いたとの批判も根強い。
改革に向けての議論・弁論
様々な案が提案されており、ほぼ全ての国が改革自体には賛成しているが、各論では拒否権などの喪失を恐れた常任理事国が反対するなど、全く進展が見られないのが現状である。 既得権益である拒否権の権限をP5が自ら落とすことはありえず、またP5の拒否権が使われれば何も改革できないため、UNにおいて常任理事国に不利とする全ての議論(拒否権を持つ国の追加、拒否権の絶対性を否定するあらゆる改革など)は完全な空論と言える。
日本の常任理事国入りへの課題
日本は国連改革の一環として、ドイツ・ブラジル・インドとの4ヶ国同時の常任理事国入りを求めて、国際社会に強く働きかけたが実現していない。また、4ヶ国の加入によって自国の利益を損なう可能性のある国々は、加入阻止のロビー活動を繰り広げた。日本に対しては特に大韓民国が強力な反対運動を行った。
191の国連加盟国の中およそ150か国以上が日本の常任理事国入りに賛成しており、国際世論では23か国中21カ国が賛成するなど支持が厚く、米英仏など3か国は日本の常任理事国入りに好意的であるものの、「アジアで日本が孤立の可能性」「中国が怒る理由は十分にある」と辛口の批評も見られる。小泉純一郎が靖国参拝をやめずコフィ・アナン事務総長の「日本の常任理事国入り」に対し提案した事により、中国で反日デモが起きたが、後の福田首相の際には中国は日本の常任理事国入りに柔軟の姿勢を見せた。一方中国は犬猿の仲といえるインドの常任理事国入りは支持している。
その後、アメリカやフランスが日本及びドイツの加入を事実上認めたが、国連改革の停滞のために4ヶ国の加入問題は棚上げとなっている。
平成17年(2005年)9月28日に「国際連合安全保障理事会常任理事国入りを目指した外交政策に関する質問主意書」が、国会参議院に提出された。
常任理事国改革
現在、国際連合は安全保障理事会の改革を求められており、その改革案の中には常任理事国の拡大案もある。日本・ドイツ・インド・ブラジル・フランスなどがこの案(A案)を支持している。常任理事国入りを希望している主な国はインド、 ドイツ、 日本、 ブラジル。
しかし、中国・イタリアなどは任期4年で再選可能な準常任理事国を創設する案(B案)を支持している。これは、隣国・近国が常任理事国になることによって自国の国際的影響力が相対的に低下すること、新常任理事国が自国の安全保障にとっての「潜在的脅威」となり得ることを恐れているためだと考えられる。
実際、日本・インド・ドイツ・ブラジルの常任理事国入りに反対しているのは、これらの4ヶ国の周辺の国である。反対している国は、4ヶ国すべての常任理事国入りに反対しているわけではなく隣国・近国の常任理事国入りに反対している。大韓民国[1]・中国は日本の常任理事国入りには反対しているが、ドイツとインドの常任理事国入りにおいては支持を表明していた。イタリアはドイツの常任理事国入りは反対の姿勢を示しているが、日本・インド・ブラジルの加盟には言及していない。これら以外にもインドの加盟には宗教的に対立しているパキスタンが、ブラジルの加盟にはアルゼンチンが反対している。このグループは1993年にイタリアや韓国の呼びかけで結成された。
常任理事国改変草案として、常任理事国を5から3に減らし非常任理事国を10から7に減らして、1ヶ国のみでは拒否権を発動出来ないようにする、などの草案が多々ある。
拒否権の重み
自国民の人権を弾圧したり、隣国や諸外国へ侵攻したり、戦時国際法や国際人権法に照らして犯罪にあたると考えられる行為を行うと、多くの場合国連の安保理や総会では当事者の間で熱い議論が交わされ、時には当該国を非難する決議文などが採択される。しかし常任理事国5ヵ国に限ってはそうした採択がなされることは言うに及ばず、始めから議論すらが行われない場合も多い。
これはとりもなおさず、常任理事国には拒否権という権限があり、しかもそれをいつでも行使できるという大きな特権をもっているからに他ならない。仮にある常任理事国に対する非難決議文を採択しようとしてみても、その国一国のみが反対すれば、その他の加盟国のすべてが賛成しても(つまり賛成191反対1でも)否決されてしまう。それが始めから分かりきっているので、これをあえて行おうとするには余程の必然性が求められることになる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レルネット主幹 三宅善信氏は、
日本は長年にわたってアメリカに次いで――「次いで」とは言っても、ほぼアメリカと同額の――二番目の分担金(現在は19.5%)を国連に拠出し続けてきたのである。米国を除く常任理事国である英・仏・中・露の合計よりもはるかに大きな額を日本はたった一国で国連に分担し続けたにもかかわらず、いまだに常任理事国になれていないのである(註:中国2.1%、ロシア1.1%にガタガタ言われる筋合いはないはず)。それなら、分担金を減らせば良い(註:常任理事国入りするには、多くの国々の理解が必要であるが、分担金の減額は日本の決断ひとつで可能)のに、それすらもできなかったのは、日本政府の責任である。もっと言えば、全体の19.5%といっても、たかが400億円(2005年ベース)のことであるから、逆に国連の運営費を全額日本が拠出したとしても2,000億円程度なので、十数年間にわたって全額日本が出し続ければ(もちろん、本部も日本へ移転)、国連は「日本マネーに『麻薬漬け』の依存状態」になって、日本抜きでは何もできなくなって、日本の「言いなり」になるという政策もあったはずである。
今年は「国連創設60周年」ということで、国連改革の気運が高まり、また、60年前に国連が創設された当時は、世界には独立国が50カ国ほどしかなかったが、その後、アジア・アフリカ・ラテンアメリカなど多くの旧植民地が独立国となったことで、その総数は約4倍にまで増えたのに、依然として常任理事国が当初のままの欧米を中心とした5カ国だけでは、「世界の実際の声を反映できない」という国際世論もあり、「アフリカやイスラム諸国等からも常任理事国を出すべきである」という動きが澎湃(ほうはい)として興ってきたのである。
ここで日本は、「常識的に考えられる」常任理事国へ新たに加入すべき国として、日本・ドイツ・インド・ブラジルの4カ国+アフリカ代表のどこかという形で戦略を練って、他の参加国と協調し、「G4」という連合を形成し、近年常任理事国入りを狙ってきたのである。しかし、その結果は無惨なものであった。