内閣支持率19%まで下落
時事通信調べ 2010/5/14 18:33時事通信社が7~10日に実施した5月の世論調査によると、鳩山内閣の支持率は前月比4.6ポイント減の19.1%となり、昨年9月の政権発足以来初めて2割を切った。不支持率は同7.6ポイント増の64.1%。沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で鳩山由紀夫首相が掲げた「5月末決着」が事実上不可能な情勢となり、首相の資質や指導力不足を問う声が強まっていることなどが要因とみられる。
支持率が1割台となったのは、麻生内閣退陣直前の昨年9月の調査以来。普天間問題が月内に決着しなかった場合の首相の進退については、「責任を取って辞任すべきだ」と答えた人が49.2%で、「辞任する必要はない」の42.0%を上回った。
調査は、全国の成人男女2000人を対象に個別面接方式で実施。回収率は68.8%だった。
内閣不支持の理由(複数回答)は、「リーダーシップがない」が42.0%(同9.9ポイント増)に急増した。以下、「期待が持てない」38.3%(同3.3ポイント増)、「首相を信頼できない」28.7%(同7.8ポイント増)の順。支持する理由は「他に適当な人がいない」が7.9%で、「首相を信頼する」3.7%と「だれでも同じ」3.7%が続いた。
資金管理団体の政治資金規正法違反事件を抱える小沢一郎民主党幹事長の進退については、「幹事長を辞めるべきだ」が46.9%(同0.7ポイント増)で、「幹事長だけでなく衆院議員も辞めるべきだ」34.6%(同4.9ポイント増)と合わせ、辞任を求める声が8割を超えた。◇比例投票先、自民トップ
一方、夏の参院選比例代表の投票先では、自民が18.3%(同1.5ポイント増)と上昇し、民主の17.3%(同0.4ポイント減)を抜いて政権交代後初めてトップを奪った。みんなの党は7.3%(同0.1ポイント増)で、公明4.8%(同0.4ポイント減)との差を広げた。
政党支持率は、民主17.0%(同0.2ポイント減)、自民13.2%(同1.0ポイント減)といずれも減少。以下は公明4.0%、みんな2.5%、共産1.6%と続いた。今回初めて選択肢に加わったたちあがれ日本は0.7%で社民と、日本創新は0.1%で国民新、新党日本とそれぞれ肩を並べた。支持政党なしは7カ月連続で増え、57.7%だった。(2010/05/14-15:18)
自民党中堅部はこのまま鳩山・小沢体制の方がいいという意見もあった。
しかし、退陣しようがしまいが、一端失った反発は避けられない。ブーメラン政党の実態が、数字として明らかになった。「首相の能力・手腕に疑問」=普天間難航で批判-アーミテージ氏
時事 2010年5月14日(金)10:03【ワシントン時事】アーミテージ元米国務副長官は13日にワシントン市内で行った講演などで、米軍普天間飛行場移設問題の難航に関し、「米側関係者の多くは鳩山由紀夫首相の能力と手腕に疑問を持っている」と述べ、首相のこれまでの対応を厳しく批判した。
アーミテージ氏は、首相が自民党政権時代に合意されたことだけを理由に現行計画見直しを決めたのは明らかだと強調。その上で、「(具体的な)代案を持たずに現行計画を履行しないというのは少々無責任だ」と述べた。
代案なき反対は「無責任」 普天間問題でアーミテージ氏
2010.5.14 11:29
米知日派のアーミテージ元国務副長官は13日、ワシントンで講演し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題をめぐる鳩山政権の迷走に関し「完全に同盟国日本による自傷行為だ。代案がないまま現行計画を否定したのは少し無責任だ」と批判した。同時に「日本と関係を続けないといけない。民主党政権はあと3年続く」と述べ、関係修復の必要性を指摘した。(共同)
ベトナム戦争に海軍少尉として従軍し、ベトナム語が堪能。また、レーガン政権の国防次官補代理職にあった時に、東アジアおよび太平洋地域を担当していたこともあり、“知日派”(≠親日派)として知られ、現在は米国内の知日派政策エリートの保護者的立場にある。1980年代の東芝機械ココム違反事件の際には政権内でおきた対日経済制裁主張論を抑え、東芝側を擁護した。
日米間の安定的な安全保障システムの確立に貢献してきたほか、椎名素夫・石原慎太郎など日本の政治家や官僚らとの繋がりも強い。一方で、核武装など大幅な日本の軍事的拡大には否定的とされる。かつて、日米間で摩擦があったFSX開発問題では日本側との調整を担当している。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件には対応に追われる大統領や国務長官らに代わり、米国側における日本との連絡窓口として奔走。この時にいわゆる「Show the FLAG」(旗幟を明らかにしろ、日本の存在感を示せ)発言を行い、対テロリズムにおける自衛隊出動も視野に入れた積極的な支援・共闘を求めたといわれる。ただし、この発言の受け手となったとされる柳井俊二・駐米大使(当時)は、協力は要請されたが、「ショー・ザ・フラッグ」という激しい表現で協力を要請されることはなく、出所が不明とも語っている。実際アーミテージはこの発言をしておらず、むしろその意図を理解した外務省によりマスコミ報道で事実が誤認されたのではないかとも言われており、日本側に後方支援を求めていたアーミテージ本人もこれをあえて否定しなかったようである。
2005年6月6日、『筑紫哲也 NEWS23』に出演した際に、靖国神社参拝について質問され「主権国家である日本の総理大臣が、中国に限らず他の国から靖国神社に参拝してはいけないと指図されるようなことがあれば、逆に参拝すべきだと思います。なぜなら内政干渉を許してはいけないからです。もう一つは、全ての国が戦死者をまつりますが、それぞれのやり方で良いのだと思います」と主張した。2006年7月20日の「産経新聞」(東京版)の取材に対しても同様の認識を示している。
2007年2月には、政策シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)において再度超党派による政策提言報告「第二次アーミテージ・レポート」(正式名称:”The U.S.-Japan Alliance: Getting Asia Right through 2020″)を作成・発表、日米同盟を英米のような緊密な同盟関係へと変化させ、東アジアの地域秩序の中で台頭する中国を穏健な形で秩序の中に取り込むインセンティブとすることなどを提言している。
第一次アーミテージレポート(邦訳・PDFファイル)
溜池通信内コンテンツ・管理人の吉崎達彦による翻訳出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』