鳩山首相はことあるごとに「友愛」をかかげるが、それが何を意味するのかが抽象的でわかりにくい。
かつて、民主党鳩山代表が誕生した6月に以下のページで「友愛」とは何かを調べたことがあります。
鳩山首相の「友愛」とは何か
由起夫氏・邦夫氏が運営している(財)日本友愛青年協会の
から拾い上げると、
友愛思想と友愛革命
クーデンホフ・カレルギーは自由と平等との対立を解消し、克服するのが友愛主義であると記し、友愛の基本をフランス革命の友愛に依拠していると説明しています。
と書いてあります。
鳩山由紀夫後援会は
「友愛」とは、汎ヨーロッパ運動主催者ク―デンホフ・カレルギー伯が提唱する友愛思想、友愛革命、友愛社会を原点としております。その目的は、「母性愛」を根源とする人格の尊重が基調であり、相互尊重、相互理解、相互扶助によって、新しい価値と夢のある未来を拓くために、人種、宗教、民族、国家、言語の壁を超越して、人間と人間、自然と人間との共生を目指して恒久的な世界平和と人類の幸せを実現することです。
クーデンホフ・カレルギー
友愛思想・友愛革命・友愛社会を提唱
汎ヨーロッパ運動主催者『自由と人生』 著者
また、クーデンホフ・カレルギーが汎ヨーロッパ運動を開始後「EEC の母」という名称をヨー
ロッパ各国から与えられた。
EEC=European Eco nomic Community
明治27 年(1884) 11 月16 日 東京にて出生 光子の次男
クーデンホフ・カレルギーの幼名は 青山栄次郎
明治29 年 オーストリア帰国
大正12 年(1923) 10 月 汎ヨーロッパ出版 29 歳
汎ヨーロッパ運動開始
EEC の原点となる
EEC はその後のEU に発展
昭和10 年(1935) Totalitari an State Against Man
(全体主義国家対人間) 出版
日本版『自由と人生』鳩山一郎 訳
青山 光子
クーデンホフ・カレルギーの母
在オーストリア大使館代理公使リヒャルト・クーデンホフ・カレルギー伯爵に見初められ明治24 年結婚。日本人として初めて海外の名家に嫁いだ女性。オーストリア帰国を前にして、昭憲皇太后から拝謁を仰せつけられ令旨を賜った。
これを読んでますます理解できませんでした。
フランス革命の「博愛」とは何か
我々は学校でフランスの国旗である三色は「自由・平等・博愛」と習いましたが、最近は「自由(liberté)・平等(égalité)・友愛(fraternité)」になっているようです。フランスの国旗は通称トリコロール(Tricolore, 三色の意)と呼ばれる旗。青は自由、白は平等、赤は博愛(友愛)を表す。赤と青はフランス革命軍が帽子に付けた帽章の色に由来し、白はブルボン朝の象徴である白百合に由来する。
「博愛」とは辞書では「すべての人を平等に愛すること。 広く人に愛情を与えること。」とあります。
「友愛」は「兄弟または友人間の情愛。」とあります。
「博愛」なら世界的な愛ですが、「友愛」は兄弟愛や友人間の愛ならごく狭い愛情という意味でしょうか。
鳩山一郎氏が個人的にカレルギーを尊敬し自書で「友愛」と訳した言葉を、孫である由起夫氏が内閣のスローガンのように国民にかかげ、「友愛」はヨーロッパ共同体(EU)に発展したから「友愛思想」があればこの国が良くなるのであるとしているのだと思いますが、東アジア共同体の理念はそれとして、友愛は日本国民の生活には結びつかない理念であるというか、日本列島は日本人だけのものでないという言葉も、世界が良くなれば日本も良くなるというまず国家意識がないことを表しているように思います。
ますますわかりませんね。
つまり鳩山兄弟は幼少から祖父一郎に、友愛思想がEEC(現EU)の原点となる汎ヨーロッパ運動につながったから、自由主義と平等(社会主義)でもない中間に「友愛」という考えを刷り込まれいるようです。
欧州経済共同体(EEC)はドイツの炭坑再建から始まった
しかし、リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーの宣言書「汎ヨーロッパ(Paneuropa)」(1923年)から始まった国際汎ヨーロッパ運動は、キリスト教徒のヨーロッパで、最も古い欧州統合運動といわれ、組織は1933年にナチス・ドイツから禁止され、第二次世界大戦後に再建された。この連合はミュンヘンに統括事務局があるほか多くのヨーロッパ諸国に支部があります。欧州評議会・欧州連合(EU)とは混同されやすいですが、直接的に1957年に設立されたベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、ルクセンブルク、オランダとの間での経済統合を実現することを目的とする欧州経済共同体(EEC)が誕生した経緯はまったく別のようです。
また、EU間の国境検問所やパスポートの自由化、就労ビザの廃止によって、賃金水準の低い労働者が給与水準が数倍も高いEU内の先進国に流入し、イギリスなどは国内の失業者が増え、逆に労働者供給国では労働人口が減り、農業の近代化による設備投資など国内経済に支障を来すという矛盾した問題が頻発しています。またユーロの共通通貨導入も、相反する問題が含まれていることも注意しなければなりません。狭いヨーロパの国々を自由に往来するためには共通通貨が便利ですが、為替交換レート廃止によって、物価の低かったスペインなどはインフレが起きています。しかもEU以外のイスラム・中国やアフリカから移住者が流入したことで困っています。
したがって、友愛思想=汎ヨーロッパ運動が、欧州連合と発展したとするのは飛躍した解釈ではないでしょうか。日本国の首相が 「友愛」というコトバを、「人類はみな兄弟」といったような意味で使っているのだとすると、政治家というよりも、国益とは無縁な宗教家の姿勢に近い。国家の指針を一政治団体の思想で公私混同してもらっては迷惑なのだ。
国防なくして対等外交は不可能
自由と平等社会がない国と友愛社会(共同体)を築ける段階にはありません。中共は軍事独裁国家であり、経済開放政策をとったにすぎない過程です。EUでも最初は欧州経済共同体(EEC)として数カ国からはじまって、共通のキリスト教である欧州連合(EU)と発展し、徐々に加盟国が増えていき、共通通貨に至るまでには約50年もかかっています。またイギリスや北欧では共通通貨には国民投票でも賛否がありまだ採用していませんし、永世中立国であるスイス、かつての共産国ロシアは現在でも加盟していません。
自民党政権時代にすすめた東アジア共同体構想は、アジア・大平洋の経済協力で、欧州経済共同体に近い構想ですが、民主党のそれは似て非なるものです。民主党はもっと軽薄で、安全保障・共通通貨・外国人参政権・夫婦別姓など国の主権に関わる重要な課題までを一気に進めようとするもので、ましてや、政治イデオロギーも経済成長度も大きく異なる東アジアでは、日本への就労人口流入が失業率を高め、国内資産流出になり、また反日教育・宗教・国民性の違いなど治安悪化を招きます。欧州でも共通する宗教の27か国に至るまでにはさまざまな諸問題を現在でも継続して解消する努力が行われているのですから、時期尚早であり危険です。一度法政化を実行すれば元には戻せません。歴史・外交オンチの民主党・社民・国新連立内閣では、外交・防衛・教育問題にはまったく触れないでくれた方安全なのです。
優先順位がおかしい民主党
http://koujiyama.at.webry.info/200909/article_128.html
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お忘れの方多いとおもいますが、「東アジア共同体」と聞いて「大東亜共栄圏」を思い出し
つい笑っちゃいました。あれとドコ違うんでしょうねぇ?
戦前生まれさん はじめまして。
コメントいただきありがとうございます。
日本が主体となって白人の侵略から防衛するのと、鳩山首相のそれは、中共の属国になるの大きな違いがあるように思います。