政権が代わって3日たちました。鳩山首相が述べていたように、日が浅い政権ですので失敗はあるかと思いますがどうか寛容な目で見守っていただきたい、というようなことでした。
早くも亀井郵政・金融相と藤井財務省との見解の相違、同じく亀井氏と原口総務相との郵政組織再編の相違が報じられました。できるだけオープンにすることをかかげていますが、少なくとも公けに会見する前に意見調整をすべきで混乱を招くもとです。しかし、わたしも観ていましたが、原口総務相が報道ステーションのなかで個人的にコメントしたことを亀井相が観ていて、「権限は私にある」と会見で反論していたようです。真意はわかりませんが、記者の質問に対して話の流れでそういったことを一部強調して流す編集では、いかにも反論しているように見えているだけかも分からず、公的な意見ではないので対比すべきではない次元です。
ただし、発足して早くも対立しているような印象を与えかねない点は、構造改革をかかげた細川・村山政権と同じで誤解を与え、むずかしさであり危険を含んでいます。連立政権が短命で終わったことにつながりかねません。
閣僚会議とは別に行政刷新会議とか国家戦略室とか、郵政・金融担当を総務省・財務省とは別にトップが複数いれば、こうなる危険性はわかっていることです。
余りにも官僚依存の自民党政権の弊害から、「脱官僚・政治主導」でやることは期待しています。しかし、そこが問題なのであって、役割分担自体は間違っていません。政治家は国家構想やその方向づけを行うためにあるのであり、行政はそれに基づいて豊富な実務経験をもって政策を実行する機関です。
政治家が大臣・副大臣以外に各省庁の官僚トップの仕事を行うのなら、その道のプロである官僚がすべき本来の仕事を、それ以下の経験者である政治家が実務を行うことが政治主導なのでしょうか。政治家が官僚の仕事をすることになってしまいます。理にかなったやり方ではないと思います。
内閣がすることは国家の方針を決めることなのです。民主党のマニフェストに国の理念・外交・安全保障が明記されておらず、本来官僚の仕事である具体的な手段といえる細かい諸政策だけをかかげているだけであることが、そもそもマニフェストとしては欠陥なのです。
野球をやるのは選手です。監督やコーチ、審判が野球をしてどうするのでしょうか。それでは野球になりません。もっと自分の仕事に専念すべきなのです。内閣はコントロールセンターとしての本来の仕事がたくさんあります。まして新政権は組織改革が重要な仕事であり、官僚の仕事を政治家がすることが目的ではないのです。会社経営と考えれば、社長がどっしりと方針を示し主導するのが仕事です。組織が大きくなればなるほど経理や事務や何でもひとりではできないから多くのスタッフが必要なのです。
日本の政治家や日本人に欠けているのは、枝葉末節な議論ばかりに執着するたちではないでしょうか。勤勉さや礼儀正しさ、改良などは天下一品ですが、「和をもって尊しとなす」、前例がないこと、大きな変化は苦手な国民なのです。
チャンネル桜 3/4【討論!】表現者スペシャル「日本解体か!?どうなるこの国の行方」
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