昨夜のNHK政党討論では、よくしゃべる亀井静香氏がその名の通り、静かにまともな意見を述べていたのが印象的だった。民主党は100人もの議員を大臣の下に置き、官僚を指導するという。菅氏を筆頭に国家戦略会議を設置して、そこに民主党以外に社民・国民新も加わりたいと述べていた。
菅氏が英国議会を視察し、マニフェストや議会運営を参考にしていることはよく知られている。
読売新聞で英国の官邸への過度の権力集中について記事があった。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090906-OYT1T00842.htm
ブレア前首相とブラウン現首相は、米国の大統領制に近い「首相制」へと踏み出し、特別顧問を使い、官僚を無視して起草した文面で政策を打ち出し、閣僚の頭越しに官僚に指図するようになった議員でも官僚でもない首相特別顧問を閣僚数に匹敵するほど抱えて、それぞれに外務、内務などの任務を与え、「代替内閣」を作り上げた。
官邸主導下で、本来の内閣は次第に形骸化し、「意思決定は内閣で行う」との憲法の大原則から逸脱していると指摘されるようになった。
憲法委に寄せられた証言によると、首相が特別顧問を使って作成し、閣僚や官僚がじゅうぶんに関与しなかった政策は、メディア受けしても、地方政府などの執行機関が有効性を疑って実施を尻込みするようになった。
その結果、大学改革やIT(情報技術)戦略などの分野で政策の朝令暮改が相次いだという。
憲法委が今、調査に乗り出したのは、首相(官邸)への権力集中は、憲法上の問題に加え、首相と内閣、政治家と官僚の関係をこじらせ、実りある政策を生み出していないとの反省があるからだ。
政治主導は、閣僚が官僚を御して政策を決め、内閣が連帯責任を担って支えることで成り立つ。そういう英国政治の伝統への回帰を良しとする共通認識が憲法委では形成されつつある。
(2009年9月7日07時07分 読売新聞)
しかし、「官僚たちの夏」も観ながら、対極的なストーリーなので面白かった。
国際経済指向で自由化をめざす玉木次官が、池内首相や須藤次期首相に、「輸入品の方がいいのならすべて輸入すればいい。しかし、それでは日本はおしまいだ。競争力のある国内産業に育てることが国益である。」といわれる。同期の国内産業育成に奮闘する風越 信吾に、「おまえがうらやましい。オリンピックが終われば退官する。次はオマエの番だ。」という。風越は次官に返り咲く。
池内首相は池田勇人、須藤次期首相は佐藤栄作がモデルだ。
鳩山も菅も東大理系だ。なんでも理詰めで考えるのかも知れない。
鳩山代表はかつて、「政治×科学=目指すべき自分の政治」だと述べていた。
ふだんは政治家にみえないすごく普通の良い人らしい。
日本には、日本人のやり方があるのではないだろうか。すべて欧米が優れているのなら、日本は今日、経済大国になれただろうか。理論だけでは人は動かない。東洋初のオリンピックを!国産初の航空機を飛ばしたいという熱意がそこにあるから人は動けるのだ。計算通りにいかないのが人間ではないだろうか。
↑ それぞれクリックして応援していただけると嬉しいです。