郵政民営化は国鉄、電電公社、専売公社の民営化を上回る戦後最大規模の改革とされ、その主たる目的は財政投融資を廃止することとされている。これにより、約340兆円という潤沢な郵貯資金を特殊法人などに代表される政府機関ではなく、個人や民間企業に融資できるようにすることで、日本経済の活性化が図れるとされている。加えて、これまでは免除されていた法人税・法人事業税・固定資産税・印紙税や郵便事業会社・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険から郵便局会社に支払われる委託手数料にかかる消費税、民営化会社の株式を政府が売却することで得られる収益によって財政再建も図れるとしている。
その一方で、民営化前から巨額の赤字を抱えていた国鉄と郵政事業を単純に比較できないとの主張も存在する。各地の農協の統廃合や、個人受諾者の高齢化などに加え、簡易郵便局が民営化に伴い、業務内容や設置方法等が大規模に変更され、法的根拠のある受託業務は郵便事業のみとなったことにも起因している。
世界最大の約340兆円という潤沢な郵貯資金にある。しかし郵便引き受け数は2001年をピークに減少している。
市町村の郵便局は生活に密接した地域コミュニティとしてのよりどころ、治安・福利などの重要な役割を考えなければならないのではないか。
どこでも、酒屋さん、電気屋さんも機能していたが、自由化によって酒屋は廃業やコンビニ転換され、一般電気店は大手家電店により深刻化している。商店街が形成されていた中小都市でさえも、大型SCや郊外の大型店によって中心的役割を担っていたシャッター商店街となり、祭りや子どもたちの育成・安全などの町内活動や地域住民のつながりが希薄となってしまっている。
高齢化が進む中で車に乗れない人々の買い物や郵便局での貯金などが不便になり、国が支出する。たとえばイタリアなどでは中心部は景観保護の観点が発達しているので景観を損なうスーパー、コンビニや新建築は郊外に限られている。
医療介護等の補助金はむしろ増大することにつながり、自由化は価格を抑制するメリットがある反面、以上のように、日本の効率的なコミュニティ機能を破壊してしまい、必ず新たなコストを生むことにつながるのである。かえってマイナスではないか。
ドイツにおいては、通常郵便については長年ドイツポストの独占とされており、同社は、通常郵便の独占利潤をもって小荷物部門への国際事業展開を行っており、通常郵便に競合他社が事実上クリームスキミング的に参入している日本とは事情が大きく異なる。
イギリスでは、窓口会社、郵便会社、小包会社といったように分割されている。貯金事業は独立行政法人のナショナルセービングにより運営される。当時の英国のトニー・ブレア首相は日本の小泉純一郎首相が郵政民営化に熱狂してる様子を見て、「日本だけが逆行していますね」と語った。
スイスでは、連邦政府郵政省によって運営されている。ユニークなものとしては郵便バスの存在があげられる。これは、郵便物をバスで輸送し、そのバスに一般の乗客も有料で乗車できるというものである。
アメリカ合衆国には、かつて郵便貯金の制度が存在したが廃止されたが、郵便事業については公共企業体(USポスタルサービス)により運営。郵政事業を民営化するという法律案はこれまでに2回提出されたがいずれも成立せず、2002年には「一律サービスを民間で行うのは不可能」と結論付け、事実上郵政民営化は断念した状態となっている。
全国一括料金郵便(配達)事業を単独で運営させることは不可能であり、要するに欧米では、郵便取り扱いは公共的なものとして民間介入を許していない。すでに結論が出ている。郵便事業は郵便貯金を含めて黒字化されてきたのである。
西川社長やかんぽの宿売却問題は、そうした住民サービスの本題とは乖離しており、聞き分けのない鳩山弟と、憲法改正論者かと思えば、地方参政権をと180度違うことをいう事大主義者鳩山兄との方がはるかにブレまくり問題ではないのか。西川=三井住友から民主党がもし政権をとって社長交代を行うと、外資本、例えばロックフェラーやロスチャイルド系の世界最大金融の銀行に渡る方がはるかに危険である。
大店法緩和が町や地域のつながりを破壊し、文化を喪失させたのである。外国に行くと分かる。イタリアやヨーロッパの町並の美しさ、市場の人たちの活気と温かさ。韓国や台湾の失われた昭和の匂いのようななつかしさを。
小泉・竹中はアメリカに向いていただけである。日本の日本人の良さを破壊しただけだ。個人の念願で郵政民営化をなしとげた。それは経済問題なのであり、国民の幸せには直結しない。民営化を否定しないが、郵便局が果たしてきた公共的役割は国家が保証しなければ成り立たないこともあるのであるのではなかろうか。
資本経済の一部に偏った豊かさよりも、例えば親子が道ばたでキャッチボールをしていた昭和のころが良かったのかも知れない。日本の歴史と文化が誇りと思える国づくりが最も大切であることを、再認識するのである。
麻生首相が偉いことは安倍さんや福田さんのようにキレないところです。
「じたばたするなよ~♪」(シブガキ隊)と思いますが。