http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080907/kor0809071542000-n1.htm
産経新聞の特集を読んでみた。
韓国の歴史教育に一石を…代案教科書の李榮薫教授
2008年春に『代案教科書 韓国近現代史』対日史観で摩擦が耐えない歴史認識で、現行の政権交替のたびに全面的に建国史を否定した『民主革命史観』に対し、韓国の歴史学者からこのような冷静かつ客観的な、『建国史』の試みが始まっていることは嬉しい。
思いがけずも、韓国でベストセラーになった。2009年03月、『大韓民国の物語 韓国の「国史」教科書を書き換えよ』(文藝春秋)も発売された。
『物語』も幅広い支持を得た。それは偏った歴史に食傷した韓国人が、まともな歴史書に餓えていたことを示すものではないか。
金大中、盧武鉉政権と続いた韓国の進歩派政権下では「韓国の近現代史を民族民主革命史観でみている。民族史観とは反帝国主義史観だ。解放(日本統治終了)後、朝鮮半島に入った米国やソ連の外国勢力にわれわれがどう対抗し独立をしようとしたのか。植民地時代、独立運動がどのくらい活発だったか。国内に関しても民主革命が国内の反民主勢力の大企業とどう戦ってきたのか。この民主革命史観で140年間をみてきた。従って韓国の歴史学会には「民主革命史観の立場」の歴史観を否定できない雰囲気がある。」
だから韓国の教科書には大韓民国という国がどのように生まれ、成立したのかという大変重要なことが出ていない。現代史に大韓民国の建国史という概念で話すことのできる内容がない。(それどころか)大韓民国を建国した人間も反民族主義勢力であり、大統領(李承晩大統領)も反民族主義勢力、朴正煕大統領、全斗煥大統領は軍部独裁であった-というふうに書かれている。韓国における民主化は1987年になって初めて実現し、民主化勢力、市民社会ができたとなっている。つまり1948年に大韓民国が成立したことはどういう意味があったのかという視点がない。
「深刻なことだ。だから最近のような(左右両陣営対立といった)混乱が起きる。日本は国家の正当性に対する混乱はないでしょう。天皇に対する批判はあっても国家を否定するということはない。しかし韓国は国が滅び、そのあとに新しい国ができたのだが、『建国史』がないために国家の正当性に対する混乱がいまだに続いているのだ」
と、説明している。
桜井よしこ氏のブログ
2008/08/23/「韓国発展に寄与した植民地時代の日本を評価す
2009/03/26/「 日韓歴史問題を解くか、新分析 」
では、
今、経済史の視点から歴史を見直す動きが生まれている。ソウル大学の李榮薫教授らが共同代表を務める「教科書フォーラム」が執筆した『代案教科書韓国近・現代史』である。それは日韓関係を従来の「日本=帝国主義=悪 対 韓国=被害者=善」と短絡的に見るのでなく、韓国の発展の基礎となった植民地時代の日本の寄与を評価する視点で書かれている。
李教授が語る。
「これまで韓国には建国史の教科書がなかったのです。1948年8月15日に大韓民国が樹立されたという時点から現代史が始まるのです。私たちは戦後だけでなく植民地時代を含めての建国史を代案教科書に書きました。日本統治時代、確かに帝国主義の抑圧と差別はありましたが、そのなかでわれわれは近代文明を学んだのです」
李教授は、植民地時代見直しの研究は経済史の分野で活発だと指摘する。
「日本の資本が支配と影響を強めていったプロセスは、韓国の地主と資本家が成長していったプロセスでもありました。そのことを理解する経済史学界から、日韓の歴史の見直しがなされてきたといってよいでしょう。さらに、文学においても韓国の近代的国語学、国文学は植民地時代に確立されたという研究が進行中です」
場合によっては韓国社会の激しい反発を誘発しかねない発言だ。が、このような視点を書き込んだ代案教科書の出版に対してひどい圧迫はなかった。
「特に『東亜』『中央』の主要紙は建国史を正しく書いた点を評価しました。植民地時代の再解釈への評価ではないのですが、数年前と比較しても、韓国社会は大きく変化しつつあります」
「これらは約20年前につくられた話で、あたかも事実であるかのように教科書に載っています。若い世代は捏造事実を教えられ、悔し涙に暮れ、反日になるのです。私たちは代案教科書で、これらが事実でないことを示しました。国史学者も、これまでの通説の間違いを事実上、認めています。われわれの指摘への反論はありません」
代案教科書は現在、教養書として読まれている。事実に基づく前向きな日韓関係を築いていきたいものだ。
日本の音楽、アニメやドラマが解禁になってまだ10年に満たない韓国だが、インターネット普及率では日本以上だ。意外と若い人はネットなどで日本の文化や歴史を国内の左翼フィルターを介さずに日本文化に好感を持っている若者も多いそうである。
ところで周辺アジアにびくびくしている韓流NHKでは6月28日(日)、ETV特集-日本と朝鮮半島2000年「第3回 仏教伝来~渡来人がもたらした飛鳥文化」が放送される。
仏教は中華冊封体制のなかで朝鮮半島に伝来し、百済はその通過点だという認識であるが、例によって、NHKはあくまでも朝鮮半島から始まったことにしたいのだろう。
「日本と朝鮮半島2000年」というテーマなのだから。
薬師寺・唐招提寺などの建築が唐の建築の影響を受けているのに対し、法隆寺は朝鮮半島三国時代や、隋の建築の影響を受けている。
4月26日(日)に第1回 「古代 人々は海峡を越えた」
でちょっと変に思った箇所があったが、今回は飛鳥文化はすべて朝鮮半島の渡来文化としたいのだろう。つっこみどころを捜すのもNHKドキュメンタリーの楽しみ方といえるのではないか。
さて、火曜日にチャンネル桜の桜塾講座−日本の文明と芸術 聖徳太子は大思想家(放送時間 毎週火曜日 22:00-23:00)を観ていました。
四天王寺の伽藍配置は中門、塔、金堂、講堂を南から北へ一直線に配置する「四天王寺式伽藍配置」であるが、法隆寺は焼失した前身寺院(いわゆる若草伽藍)が存在し、7-8世紀に再建されたもので、右に金堂、左に五重塔を配することで西院伽藍といわれ、すでに黄金比で配置を緻密に計算されているというから驚きだ。
中国・朝鮮半島にはない日本独自の伽藍であるのだそうだ。仏像も朝鮮半島や中国の仏像にはない繊細さ緻密さは日本で開花した芸術的なものである。
しかし、随や唐の影響もあった、7-8世紀には日本独自の伽藍は位置になっており独自の文化を築いていたことを同時に説明しないと、NHKの朝鮮半島を観る人は朝鮮半島だけに影響を受けたと思いこんでしまう。
長い大陸と日本列島の歴史を朝鮮半島の、しかも飛鳥時代にだけまとめるのは、ほんの一時代をピンセットでつまみあげるようなもの。
戦争史観も発端や経過を飛ばして絶えず戦争に固執し強引な結論を用意する手法である。これを名づけて「NHKピンポイント攻撃」とでもいえばいいだろうか。正に中国が何千年前から現在まで何千万もの同国人を虐殺しては政権交替を繰り返しながら、国民の教科書から抹殺し、南京がどうだのと突然反日運動を展開し、アメリカが世界秩序の大儀をかざしキューバ、ベトナムやイラクで行う好意は、破壊すればすぐに決着するだろうという単細胞兵法であった。ベトナムが決してアメリカ軍に屈さないばかりか統一し、アメリカに後遺症を残したことは良く知られているのに。
戦前日本がアジアに学校を建てたりインフラ整備、民主化・農業・商工業化を推進し、国民レベルを高めた日本国とは全く異なる思想なのである。
NHKは偏向していると批判があると、すべて調べて編集しているが短い時間で多くを放送しきれないとすぐに高飛車に弁明を繰り返す。しかし、つまみ食いのようなことを繰り返せば、全容がつかめないばかりか、つじつまが段々合わなくなる。シリーズでやるならしっかりと系統立てて放送すべきだ。そうでなければ、ただ細切れの歴史観に翻弄させられるだけである。
アメリカの軍事介入に学ばなければなるまい。GHQに放送統制がなされて、思考停止し放棄してしまったかのようだ。中立公正な放送でなければ独占的な放送免許にあぐらをかいているといわれても仕方がない。
マッカーサーの父マッカーサーは、フィリピン占領で原住民虐殺をおこなったことも、マッカーサーの特集には同時に触れなければならないのである。人類史上最初で最後、最大の無差別なホロコーストである原爆投下を2回もおこなったアメリカに対する軍事裁判は開かれていない。マッカーサーが国内の歴史書や軍関係資料を焼き捨ててしまい(焚書)、憲法を改正し、日本の偉人を教えなくしてしまった。東郷平八郎、二宮尊徳、菅原道真などなど。
アメリカ国会図書館は、今でもアメリカの記録を公開しようとしない。しかしどんなに調べても戦争に勝者も敗者もなく、正統性などないのである。勝った国が正義で負けた国は悪者なのである。
NHKはウサギのつもりでいたら、指導していたKBSとCCTVの亀たちに、もうすぐ追い越されてしまうだろう。日本の民放・大新聞も同じである。