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【正論】 日本の明日を大胆に本音で語れ

まったくこれぞ正論なので、そのまま転載する。

日本の明日を大胆に本音で語れ
産経新聞 2010/06/22 07:13

【正論】

 また政権が代わった。混迷する政治に対する国民の不安は高い。日本は今、景気が落ち込み国際社会で地盤沈下が続く。まさに国難の時期であり、今回の参院選は国の浮沈を賭けた選挙となる。各党には日本をどのような国にするのか、大所高所に立った責任ある論戦を期待する。

≪定数減で議員の顔見やすく≫

 今ある政治は有権者の選択の結果であり責任も有権者にある。各候補者の発言にしっかりと耳を傾け、真剣に投票しようではないか-。有権者が変わってこそ政治も変わる。

 先に当欄(4月23日付)で「国会は事業仕分けの聖域なのか」と題し議員定数削減を含めた国会改革を提案したところ多数の賛同をいただいた。民主党もマニフェストに参院定数の40議席程度、衆院比例の80議席削減を盛り込んだ。「議席半減」「将来の一院制」を公約する新党もある。私としては前回提案した衆議院300、参議院100を改めて主張したい。

 定数が減れば、その分、議員一人ひとりの顔が見えやすくなる。特に参院はかつて緑風会を中心に良識の府として機能し、各議員が党に縛られることなく天下国家を論じる気風があった。しかし、いつの間にか政党政治に組み込まれて独自性を失い、不要論すら語られるようになった。今一度、在り方が議論される必要がある。

≪憲法に手付けぬのは怠慢≫

 有権者は選挙ごとに繰り返される総花的で整合性のない政策に飽き飽きしている。今、政治に求められるのは国の在り様に関する大論である。憲法や安全保障、財政、社会保障、教育といった国家の根幹を成すテーマに対する各党、各候補者の意見である。

 例えば国の要である憲法。5月、改正手続きを定めた国民投票法が施行され衆院で議員100人以上、参院で同50人以上の賛成があれば改正案の国会提出が可能となった。しかし原案を審査する衆参両院の憲法審査会の委員はいまだに選任されていない。このままでは原案が提出されても店ざらしにするしかない。

 憲法が60年以上も不変の国は寡聞にして知らない。各種世論調査によれば国民の過半数が憲法改正の必要性を感じている。これ以上放置するのは政治の怠慢であり許されない。

 国民の間には中国の台頭、北朝鮮の核の脅威といった新たな情勢を前に集団的自衛権をはじめとする国防論議を今後もタブー視したままで国の安全が保てるのか、素朴な疑問が膨らんでいる。島国として海に守られてきたこの国も、EEZ(排他的経済水域)で他国と国境が接する今日、自ら海を守らない限り国益は守れない。

 財政問題も然り。862兆円に上る国の債務残高はとっくに危険水域を超えている。大半が内国債の日本と、多くを他国が引き受けるギリシャでは事情が違うとはいえ、ユーロ圏の混乱はもはや、他人事ではない。「出」を抑え、「入」を増やさない限り、早晩、その付けが国民にはね返る。

 有効な景気対策も示さぬまま、選挙への影響を懸念して消費税の引き上げ論議をためらう姿勢は、国の将来を担う政治の在り方に程遠く、国家財政の破綻(はたん)を危惧(きぐ)する国民意識と大きな乖離(かいり)がある。マニフェストではどのように財政を立て直すのか、ようやく出てきた消費税引き上げの論議を活発化すべきだ。

 われわれ有権者は、今、日本が経済から安全保障、財政まであらゆる分野で壁に突き当たり、危機に直面している現実を十分に理解しているつもりだ。それ故にこの国の明日について大胆に本音で語る政治を求めている。党や候補者の顔が見えないマニフェストは勘弁してほしい。これでは関心があっても投票先が決まらない。

≪国家を託せる人物選ぼう≫

 “いいことずくめ”のマニフェストにはどこか嘘と無理がある。いったん公に約束して「できません」では話にならないし、政治の信頼は一層失われる。政治家には国の将来を本音で語る勇気と自らリスクを引き受ける覚悟を持ってもらいたい。選挙への悪影響が予想されてもなお本音で語る強い意志、進んで国民に負担と我慢を求める勇気である。

 政治を批判するのはたやすい。しかし、それだけでは「百年河清を俟(ま)つ」ことになりかねない。国際社会は新たな秩序に向けて今、激しく動いている。日本だけが傍観している訳にはいかない。政治を変えるには、政治家と有権者の双方が変わらなければならない。

 「国民は自らのレベル以上の政治家を持てない」という。有権者が自らのレベルを上げないと政治のレベルも上がらないということだ。党に従順に従う候補者よりも国家国民のために可能性を秘めた人物を選ぼうではないか-。「党より人」である。人物本位で見れば、明日の日本を託せる有為な人材は必ず見つかる。その上で各党には、少なくとも参院は党議拘束を外し自由な議員活動に道を開いてもらいたい。それが参院、ひいては日本の政治の再生につながる。
(日本財団会長・笹川陽平)

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